「わたしは父について多くの批判があることは、身にしみています。
それでもわたしは、父が事件に関与したのかについて、今でも自分の中で保留し続けています。父が事件には関わっていないと信じているわけでもありません。父は事件に関与したのかもしれないし、してないのかもしれない。
父が弟子たちと主張が食い違ったまま病気になり、何も語ることはできなくなりました。一方の当事者である父がきちんと裁判を受けられず、いまだに何も語ることができない以上、わたしは今後も判断を保留し続けるでしょう」
この決意のウラには父親への愛情だけでなく、母親である松本知子への不審、憎悪とも思える感情が存在したという。
「もし母が、妻として母親として、病気の父の裁判を責任をもって支えてくれていたなら、わたしはまた別の考えを持っていたかもしれません。でも母は何もしませんでした。父を守れる者が子どもしかいないなら、わたしだけでも父を信じよう。父の言葉を聞くことなく、父を断罪することは絶対にしない。世界中が敵になっても、わたしだけは父の味方でいたい」
11歳で国家転覆を狙った日本最悪の犯罪者、テロリストの娘となったアーチャリー。彼女は本書の出版を機に今後もテレビやネットなどに出演予定だというが、社会はこれをどう受け止めていくのだろうか。
(伊勢崎馨)
最終更新:2017.12.19 10:22