だが、その後もことあるごとに「ITデトックス」発言を繰り返してきた安室。たとえば、12年には“ネットの書き込みは気にしちゃいけない”と思ったことを告白したり(「mina」12年8月号/主婦の友社)、「迷うことなく『歌と踊りでやっていきたい!!』と思えたのは、今のようにインターネットがない時代に育ったから、というのも理由のひとつかも」「すぐにインターネットで情報収集ができて、選択肢がたくさんあるってことって羨ましくもあるけど、結局本当に何がしたいのか迷ってしまうこともありそう」(「MORE」12年8月号/集英社)と同時期にネットについて言明。両誌ともアルバム発売に合わせたプロモーション用の記事なのだが、それでもついついネットのことを語ってしまう、安室のネットへの妙なこだわりが見えてくるようだ。
ネットのことは気にしてはいけない、ネットによって惑わされるのはよくない──そう思いつつも、距離感を掴みかねている様子の安室。実際、「ITデトックス」宣言をした前述の「Gina」インタビューでも、安室は自身のネット生活について、こう述べている。
「というのも実は私、最近ネットショッピング絶ちをしているんです(笑)。一時期、これはマズいんじゃないかと思うぐらいお買い物してたんですよ。(中略)ゲームアプリも注意が必要ですよね。気がつくと、誰かと同じ空間にいても、お互い無言でスマホの画面を見ていたりする。しかも課金しちゃうとエンドレスになっちゃう(笑)。だからとりあえず課金はしない、充電器は手元に置かないっていう決まりを自分で作っています(笑)」
まるでネット・スマホ中毒者の手記かのような様相を帯びているが、たしかに有名人にとってはネットを気にしすぎると精神衛生上よからぬこともある。とくに安室の場合、昨年は所属事務所からの独立問題や、その件にも絡んでいるとされる音楽プロモーターとの熱愛騒動などもあり、目にしたくない話題も多かったはずだ。
「Numero TOKYO」(扶桑社)12年9月号のインタビューでは、ブログやTwitterをやらない理由を、「自分の考えやしたいこと、していきたいことがブレてしまうし、そうなると中途半端なものしか作れなくなってしまう。ブレないほうが自分らしく作ったものを提供できる気がする」と語っていた安室。今度こそ、彼女のITデトックスが成功するといいのだが……。
(大方 草)
最終更新:2017.12.19 10:21