そして、3つ目の要因は「ファッション」。女性ファンはコンサートやイベントなどの「現場」に何を着ていくか考え、なかには自作する人も。応援するアイドルが同性の場合はコーディネートをマネしやすく、でんぱ組.incはステージ衣装のレプリカを公式販売しているそう。竹中氏はその女性心理を、「アイドルの現場に行くという理由にかこつけて、いつもとは違うちょっと特別な恰好ができることが嬉しいのです」と、変身願望が潜んでいると分析している。
ファッションもさることながら、アイドルの「現場」を“非日常”につくり替えることが、女性アイドルファンの楽しみなのかもしれない。それを証明するかのように、本書に収録されている「アイドル現場レポート」では、イベント終了後に仲間で食事をしたり、カフェに行ったり、アイドル関連のグッズを買物したりと、アイドルの現場が非日常の一大イベントに様変わりしているのだ。
アイドルへの同化や憧れ、そして変身願望。女性ファンが女性アイドルを応援したくなる要素が整った結果、女性アイドルファンが増えたのだろう。今後は、運営側が女性ファンをどう取り込むかが、アイドル人気を左右するといっても過言ではないのかもしれない。
(江崎理生)
最終更新:2017.12.19 09:55