絶好調ももクロを支えるのは…(「週末ヒロイン ももいろクローバーZ オフィシャルサイト」より)
2月27日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で、米ハードロックバンドのKISSとコラボレーションを果たしたアイドルグループ・ももいろクローバーZ。同28日には主演映画『幕が上がる』が全国ロードショーになるなど、充実した活動を展開している。
そのももクロ人気を支えているのが、女性ファンの存在。女性アイドルに男性のファンがつくのがいままでの流れだが、ももクロは「女祭り」という女性限定ベントを開催するなど、女性ファンへの対応が功を奏し、老若男女ファンの層が厚いとも言われている。ももクロに限らず、ハロー!プロジェクトやAKB48グループ、BABYMETALらもコンサートにおける「女性エリア」を設置するなど、運営側は女性ファンを意識しているのだ。
ハロヲタだったHKT48の指原莉乃が有名だが、女性アイドルファンの女性アイドルも最近は増えている。
これまでは女性アイドルには男性ファン、男性アイドルには女性ファンがつくことが多く、そこには個人における程度の差こそあれ、「ほのかな恋心」がベースにあったはず。では、女子アイドルの女性ファンは、同性アイドルのどこに惹かれているのだろうか。
多くのアイドルの振付を担当し、自身も大のアイドルファンである振付師・竹中夏海氏の『アイドル=ヒロイン』(ポット出版)には、大きく3つの理由が挙げられている。
まず、竹中氏は、「イチ推しのメンバー、好きなメンバー」という意味のアイドルファン用語「推し(担当)」という行為そのものを見つめ直している。「『推す』という行為はつまり、感情移入すること」と分析しており、恋愛の対象という見方だけではなく、憧れや尊敬、同化といったさまざまな感情が混ざり合っているのではないかと指摘している。
その感情をさらに燃え上がらせたのが、昨今の女性アイドルの身近さだ。かつてのアイドルは、浮世離れしたルックスと徹底したイメージ操作で手の届かない存在だったが、いまやAKB48グループのように全国でアイドルグループが結成され、また、アイドルの裾野も広がっている。加えて、Twitterやトークアプリ「755」のように、アイドルから気軽に返信をもらえるSNSも隆盛だ。そして、リリースイベントや握手会など、直にアイドルと触れ合える機会は、女子アイドルのほうが圧倒的に多い。Leadや超特急、DISH//といった人気男性グループも握手会を行うことは多いが、男性アイドルグループの本丸・ジャニーズ事務所はデビュー間もない時期に行うだけ。一方、女子アイドルは人気・集客的に頂点にあるだろうAKB48グループでさえ握手会でファンと直に触れ合い、コミュニケーションを取る。竹中氏は「握手会を頻繁に行なうグループは、ファンと地続きのところにいる」とし、その距離の近さが女性ファン増加の一因になっているという。