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「シャルリ」襲撃を非難する安倍首相とメディアが無視する日本の言論テロ

 昨年の大晦日には、NHK紅白歌合戦にコンサート会場からの中継で出演したサザンオールスターズが安倍政権批判と受け取れる曲を歌い、直後には桑田佳祐が昨年受賞した紫綬褒章を軽んじるかのようなパフォーマンスをしたことに対し、ネット上などでバカげたバッシングが燃え広がった。

「クソ反日」「国賊歌手」「どうみても朝鮮人」「天皇陛下から賜った紫綬褒章を貶めた」……。

 挙げ句の果てには、サザンの所属事務所前で抗議活動までが繰り広げられ、サザン側は謝罪文発表にまで追い込まれる事態に発展した。

 だが、アーティストが政治的メッセージを発したいと考えるのは当然だし、褒章といった国家の権威や権力者を風刺し、笑い飛ばす行為も芸術表現のひとつだ。なのに桑田が繰り広げたオフザケ程度のパフォーマンスすら許さず、謝罪にまで追い込まれてしまう日本は、とても「言論・報道の自由」が守られている社会とはいえない。

 しかも日本は、イスラム世界と同じように「皇室」や「靖国」という絶対的タブーを抱えている。そして、報道への圧力を頻繁に加え、表現の自由を制限する政策を次々に打ち出す安倍政権の存在。残念ながら、この国はやはり「言論・報道の自由」は59位程度が相応しい「後進国」なのである。
(野尻民夫)

最終更新:2017.12.09 04:59

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