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年末特別企画 リテラの2014年振り返り

メディアタブー大賞発表!2014年、マスコミは何を恐れ、何を隠蔽したのか?

★2位★ 「文春」までが…作家タブーここに極まる!百田尚樹『殉愛』騒動

 出版社が作家の批判やスキャンダルに触れることができないというのはわかっていたが、改めてそのタブーの強固さを思い知らされたのが、百田尚樹のノンフィクション『殉愛』をめぐる騒動だった。ネット民の検証に端を発し百田のウソの記述が次々に明らかとなったが、やしきたかじんという関西大物芸人に絡んだ一大スキャンダルにもかかわらず、いつもは喜んで飛びつく週刊誌メディア、テレビのワイドショーはこれを完全に無視。最近になってようやく「週刊朝日」「サンデー毎日」「女性自身」などが疑惑の追及をはじめたが、逆に「週刊文春」「週刊新潮」「FRIDAY」「FLASH」「WiLL」といったメディアは百田およびたかじんの妻・さくら夫人の擁護にまわった。擁護派は、百田の版権を抱える出版社、もしくは関係の深い編集者がいるメディアばかりだ。
 たしかにこれまでも作家タブーにより、数々のスキャンダルが闇に葬られてきた。しかし、ここまで強固なタブー化は前代未聞。とくに「文春」の弱腰には驚かされた。
 たしかに、「文春」は15年1月1・8日号から、百田の小説連載が始まった。だが、一方で、同誌はたかじんの訃報後からさくら夫人批判する論調で記事にしており、『殉愛』では百田から「(文春の記事は)捏造」とまで書かれている。本来ならプライドを賭けて「捏造はどっちだ」と反証するべきところだろう。ところが「文春」は沈黙。挙げ句、百田の疑惑への言い訳手記を掲載するという行動に出た。
 じつは「文春」はもっと前の段階で、百田の軍門に下っていたようだ。「宝島」2015年2月号によると、今年8月に「文春」はたかじんの娘の手記を掲載する予定でいたという。が、事実確認のために取材班がさくら夫人を直撃したところ、その後、取材班は編集部から取材のストップがかかってしまう。さくら夫人が百田に依頼し、百田が「文春」に直接電話をかけ、記事を潰したというのだ(百田は否定)。
 あの文春が「捏造」と罵られ、「WiLL」に掲載されたさくら夫人の手記で“文春を訴える”とまで言われても、ヨイショしかできない……作家タブー恐るべし、である。


★3位★ 天皇であろうと護憲発言はNG! 安倍政権が封殺する憲法問題

 7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定、そして総選挙の自民党圧勝を経て、いよいよ憲法改正に向けて本格的に動き出した安倍首相。それに追随するようにテレビでは護憲派の意見を紹介することさえがタブー化している。その姿勢は、よりにもよって公共放送局であるNHKに顕著だ。
 たとえば、今月12月に亡くなった菅原文太の訃報で、 NHKは夫人が発表したコメントの〈日本が再び戦争をしないという願いが立ち枯れ、荒野に戻ってしまわないよう、共に声を上げること〉というくだりを丸々編集でカット。さらには同じく今月3日に『ゆうどき』に生出演した俳優・宝田明が「戦争を起こしてはいけないというメッセージを発信し続けたい」「無辜の民が無残に殺されることがあってはいけない。間違った選択をしないよう、国民は選挙を通じて、そうでない方向の人を選ぶ(べき)」とごく当然の発言をしたあとも、NHKの山本哲也アナウンサーは大慌てで「各自それぞれが思うことがあるでしょう。いろいろな考え方もありますから」と宝田の意思を遮るようにまとめた。

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