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自業自得! ワタミを業績不振に追い込んだブラック経営の手口を振り返る

■ワタミの実態その2 ワタミの介護では要介護者を溺死させる!■

 ワタミは04年にワタミメディカルサービスを設立して医療、介護事業などに進出(05年に「アールの介護」を買収)している。「ワタミの介護」の現場でも、中年女性を中心とした知識や技術に優れた専門スタッフに過度な労働を要求し専門スタッフが大量離職。「600人いた『アールの介護』の旧職員たちのうち、なんと半分の300人近くが離職した」というのだ。

 専門スタッフの代わりに介護の最前線に送り込まれるのは何もノウハウのない若者だ。このため事故が多発する。なかには死亡事故も起きた。12年2月16日にはワタミの介護施設「レストヴィラ赤塚」で74歳の女性入居者の溺死事件が発生。事故直後、ワタミは「10分間目を離した間に心肺停止状態になった。病死の可能性が高い」と報告したが、警視庁の調べでは介護職員は85分間、入浴を放置していたことが明らかになっている。

「『理想ばかりを現場に押し付けるワタミは離職率が高くて3年間で半分以上の職員が辞めてしまいます。だから介護職員は、寄せ集めの素人だらけ。なのに、建物を猛烈な勢いで建築して実態がないまま入居者を集める。渡邉さんが理想論や会社理念で介護職員を脅迫的に働かせようとしても、技術職なのでできないものはできない。そりゃ事故が起こる可能性が高いのは当然です』(ケアマネジャー)」


■ワタミの実態その3 ワタミの宅食配達員の個人事業主からも搾り取る■

 14年2月、一人暮らしの72歳の女性が亡くなった。その女性の長男がワタミの宅食に対して、安否確認を怠ったことに関して損害賠償請求を起こした。長男はワタミの宅食との間で週5回の弁当宅配時に女性に異変があった場合、家族らに連絡する安否確認サービスの契約を結んでいたためだ。

 ワタミは、08年には九州地域の弁当宅配事業大手の株式会社タクショクを買収し、「ワタミの宅食」として、高齢者向け弁当宅配事業にも乗り出している。実際に、お弁当を配達するのは外部委託者スタッフ(通称「まごころさん」)なのだが、高齢者の安否確認サービスを行える余裕などない低賃金で苛酷な労働環境なのだ。

 たとえば、ある「まごころさん」は最も稼げるときで月に6万4500円だったと明かす。

「ワタミの従業員じゃなくて、業務委託契約を結んでいるだけ。要するに個人事業主。配達用の車は自家用車だし、ガソリン代も車の保険料も携帯代も全部自腹。車関係だけで2万円は経費がかかっているから、実質のプラスは4万5000円くらい」
 
 一件配って115円。できるだけ効率よく、宅配をする必要がある。高齢者の安否確認サービスはとうてい不可能なのだ。

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