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自業自得! ワタミを業績不振に追い込んだブラック経営の手口を振り返る

 私物化も加速。校名を「郁文館夢学園」に、校歌も「荒城の月」で知られる土井晩翠が作詞した伝統の校歌から、渡邉の自作「君の夢がかないますように」に変更させた。校舎エントランスには自らの肖像画を掲げた。

 さらに、渡邉は夫のいる30代の女性事務員に手を出して6年間W不倫関係を続け、最終的に1500万円の慰謝料を支払うスキャンダルも起こしている。

 こうしたブラック経営の結果、“夢学園”への志願者も激減。

「2014年度の郁文館中学の生徒数は3年160人、2年114人、1年に至ってはなんと52人である。たった2年間で68パーセント減となっている。学校としては最悪の事態といえる募集人数に志願者が届かないという志願者割れが起こ」っているという。

 いかがだろう。若者を中心とした働く者たちに自己実現を煽り、強迫する組織を作り、壊れるまで過剰に働かせて、最終的には命までも食い尽くす──。そのブラックなシステムには恐怖をおぼえるほどだ。

 だが、冒頭で指摘したように、こうした実態が次々に明るみに出たことで、ワタミは企業としての評価を落とし、経営不振に陥った。逆に言えば、今回のケースでブラック労働の評判が企業の業績にも大きな影響を与えることが明らかになったわけで、労働者にとっては大きな武器を得たともいえる。今後、こういうブラック告発を繰り返していけば、業績への影響を恐れた経営者が雇用姿勢を改めざるをえなくなるからだ。

 ワタミ以外にも、「言葉によって被雇用者を洗脳し、自らの利益に誘導する」ブラック企業はまだまだたくさんある。「仕事がしんどい」と思っている人は、一度、同書を読んでみてほしい。そして、もし、あなたの会社とワタミの手口に類似点があったとしたら、勇気をもって声をあげてほしい。そのことがブラック企業をなくす第一歩になるはずだ。
(小石川シンイチ)

最終更新:2014.12.18 08:10

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