イタリア時代の独身という経歴に、娘のHさんの「自業自得」メール、そして「お金なんていらない」と言うさくら夫人……百田氏の『殉愛』はとにかく都合のいいように事実をねじ曲げた「捏造」だらけなのだ。
事実、捏造はまだ続々と出てきている。『殉愛』ではさくら夫人が〈二十一歳のときに単身アメリカに渡り、そこで一年半暮らした〉とあるが、最新号の「女性自身」(光文社)が、この時期にさくら夫人が〈大阪府在住の男性と結婚生活を送っていた〉と報道。結婚相手だった男性も、当時、彼女と結婚していたことを認める証言を行っている。
これまで本サイトでは繰り返し述べてきたが、さくら夫人にいくら結婚・離婚歴があっても、それは誰かに咎められるものではない。問題は百田氏がそれを隠し、嘘の経歴を書き綴ったことだ。作家なのであれば、これほどドラマティックな人生を歩んできたさくら夫人の経歴を包み隠さず明かし、その上でたかじんとの劇的な出会いを書くべきだろう。そんな“おいしい話”をわざわざ避けたのがずっと不思議だったが、百田氏とさくら夫人がたんなる“作家―取材者”の関係ではないことが明白になったいまでは、それもよく理解できる。いわばこの本のテーマは、百田氏のさくら夫人に対する“殉愛”なのではないか。……しかし、そのために徹底して悪者扱いを受けた娘のHさんやマネージャーのK氏は、たまったものではない。
──今後も百田氏はまだまださくら夫人擁護のために動くと思われるが、引き起こしているのは、露出すればするほどボロが出るという悪循環。「週刊朝日」「サンデー毎日」の追撃に対してTwitterでは〈他人がその遺産に口出しする権利があるの。あんたの金じゃないよって言いたい〉と吠えたが、それはあんたの金でもないだろ、というツッコミが返ってくることも気付いていないらしい。そろそろ非を認めて、しばらくおとなしくしていたほうがいいような気がするのだが……。
(田部祥太)
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最終更新:2014.12.20 05:17