たとえば、テレビ大阪の徳岡プロデューサーは娘について、『殉愛』の中でこんなことをしゃべっている。
「たかじんさんが、『この前、娘に五千万円やって縁を切った』と言っていたのを聞いたことがあります」
また、マネージャーのKについては、ほとんどの局関係者、制作会社プロデューサーが悪口をしゃべりまくっている。
〈「仕事の話をした記憶はほとんどないですね。大事な話は直接、たかじんさんとしていました」(「たかじんのそこまで言って委員会」プロデューサー相原良樹)
「こんな言い方をして申し訳ないけど、ぼくらは彼を運転手としてしか見ていませんでした」(「たかじんNOマネー」プロデューサー徳岡敦朗)
「たかじん胸いっぱい」のプロデューサー中澤健吾、日置圭信も同じようなことを言っている。〉
〈一月十五日、日本から山西敏之、日置圭信、橘庸介がやってきた。山西は読売テレビの制作局長であり、「たかじんのそこまで言って委員会」の担当デスクである。日置と橘は「たかじん胸いっぱい」の制作会社「レジスタエックスワン」の役員だ。
(中略)
会話の途中、たかじんを呆れさせた話が出た。それはKが番組収録のスタジオにほとんど顔を出していなかったというものだ。Kはたかじんには、毎回収録に立ち会っていると言っていた。そのためにたかじんは「これで差し入れを持っていってくれ」と金も渡していたのだ。
私の取材に対して、三局のプロデューサーたちは言った。
「たかじんさんの休養中の二年間に、Kさんの顔を見たのは一回か二回くらいです」〉
〈これまでにもKからは何度も非協力的な態度をとられていたが、さくらにはその理由がわからなかった。師匠のためになぜ働いてくれないのか。
これに関して、たかじんの親友である松本哲朗をはじめ、読売テレビの相島、関西テレビの中澤、テレビ大阪の田中、徳岡、制作プロダクションの相原、日置らは「男のやきもちですね」とこともなげに言った。〉
今回の訴訟を起こした際、たかじんの娘の代理人はマスコミ取材に「1人の遺族の話を根拠に、他の親族の取材をせずに一方的に攻撃するもの」「たびたび金の無心をしていたかのように書かれた部分などは虚偽だ」と主張している。テレビ局員がこうした証言をしているとすれば、当然、法廷で証人出廷を要求されるだろうし、かりに証言が虚偽であることがわかったら、その責任が追及されることになるだろう。