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デヴィ夫人、与沢翼も…税務署vs.有名人の戦いがすごい!

 当然ながら、与沢も税金対策は行っていたわけだが、皮肉にも破綻のきっかけとなったのは2013年6月に行った、2012年分決算の修正申告だったという。この修正申告を終えた1週間後に税務調査が入り、そこから出てきた法人税、法人住民税、法人事業税の合計は2億5千万円。中でも法人税が1億円を越えたことで管轄が国税局に移ったのだが、ここでは住民税では認められた分割支払いが認められず、「1週間で、1億3千万円全額を一括で払え」という取り立て通告を受けてしまう。

 なんとか8千万は支払ったものの、関連会社社長が売り上げ金を持って逃げてしまったといった理由もあって、支払いは困難に。与沢は分割払いを訴えるが国税は頑として聞き入れず、すぐさま自宅や事業所などを差し押さえて敷金を回収したため、与沢は事業継続が困難となり、資金ショート宣言せざるを得なかったという。

「年収12億円」「秒速で億を稼ぐ」と公言してきた男にしてはいささか情けない結末だが、税務署の前では、どれだけ面の皮が厚かろうが、アッサリと虚構の化けの皮をはがされてしまうということなのだろう。

 相続税として400億円もの大金を支払ったのは、消費者金融大手・プロミスの創業者にして総資産額1144億円の富豪・神内良一氏だ。01年、プロミスの株式1938万株を所有していた長男・英樹氏が急逝。その遺産額約1578億円を相続するためにはどうしようもなかったというが、泣き寝入りするしかなかった神内氏は、「所得税を払っているのだから、二重課税になる相続税は即刻、廃止せよ」「税金取り官僚というのはちょっと頭がおかしい人たちですね」と怒りを隠さない。この経験を経て日本の税制に嫌気がさした神内氏は「もう財産は残さない」と決意。経営から引退してプロミスの株式を売却した資金を使い切るため、すでに「ほとんど儲けはない」という北海道での農業ビジネスや国際福祉に500億円以上を使ったという。
 
 このほかにも本書には、FX取引で億万長者となるも、所得税法違反で告発され2億5千万円の「借金」を背負わされた磯貝商店社長の磯貝清明氏や、マルサのガサ入れを食らって刑事告発されたものの、5年間の法廷闘争を経て、国税・検察に完全勝利するという稀有な体験を持つ元クレディ・スイス証券部長・八田隆氏。「バブルの帝王」と呼ばれ、97年に強制執行を逃れようとした妨害容疑で逮捕された元麻布建設社長・渡辺喜太郎氏などの濃いメンツが登場する。いずれも税金官僚への不信感は相当なもので、それぞれ「相続税は即刻、廃止せよ」「交際費への課税をやめよ」といった主張を展開している。著者も現在の日本を、「金持ち層への嫉妬と妬みを上手に利用して、あらゆる増税を国民に是認させようとする財務官僚の策略に乗ってしまっている」として、「税金官僚が日本を滅ぼす」と嘆いている。

 なるほど確かに税金官僚のやり口には理不尽さを感じないでもない。だが、それでも彼らの主張に素直にうなずけないのは、やはり金持ちに対する庶民の僻みなのか。
(時田章広)

最終更新:2018.10.18 01:44

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