さらにページをめくれば、作家デビュー直前のエンジニア時代に『ガリレオ』も思いつかない発明で特許を取得した東野圭吾、「古代エジプトビール」を再現したという考古学者・吉村作治など、思いもよらない人たちによる特許出願を知ることができる。
もちろん、本書では著名人以外の特殊特許も数多く紹介されている。たとえば、スタンガン搭載のデンジャラスな“暴漢撃退機能付きデジカメ”や、少子化社会に警鐘をならす(?)“離婚阻止型エンゲージリング”、日本人のルーツである縄文人と弥生人をカップリングに活用した“結婚情報システム”など、センス・オブ・ワンダーを誘うものがいっぱいだ。
意外なのは、こ難しい理論や発明だけでなく、誰でも思いつくようなシンプルな発想で特許をとった例も少なくないということ。
「これぜったい特許とれるよ!!」
ジョッキ片手に居酒屋で一席ぶったことのある貴方、そのアイデアは単なる思いつきだろう。たぶん、ありふれてもいるだろう。でも一度本書を読んで、改めて違った角度からみてみると……それはもしかしたら、一攫千金の布石になるかもしれない。
(藤谷良介)
最終更新:2018.10.18 05:55