小泉の企みにくらべれば能年の写真集なんてかわいらしいものだが、それでも世間からは「こんな能年はイヤだ!」と言われてしまう。世間が求めているのは、あきらかに『あまちゃん』で能年が演じたアキちゃんの、田舎っぽさや素朴さ、ピュアさだからだ。──これはひとつの、“大衆の保守化”ともいえるのかもしれない。
能年は写真集内で、こんな言葉を寄せている。
「女の子の元気で明るいガサツさが好き。“暴力的な可愛い”を、突き詰めたいな。うひひ」
「女の子には色っぽさなんていらない。必要ない。女の子のパワーっていうのは、もっと何ものにも動かされない強いものがある。都合のいいだけの女の子なんて信じない。女の子はかっこいい。うひひ」
『あまちゃん』終了後に小泉は、「もう『あまちゃん』のことは忘れなさい」と能年を叱咤したと報道されたが、この“都合のいい女の子にはならない”という能年の宣言は、なんともたくましさを感じさせるもの。だからいまは、どうか世間の「むかしのままのアキちゃんでいて」という声に負けず、我が道を貫いてほしいと思う。それこそが芸能界で消費されずにいられる、唯一の道でもあるのだから。
でも、「うひひ」は……どうだろうなあ……。
(サニーうどん)
最終更新:2018.10.25 12:39