だが、パンツァーと呼ばれる人たちにとってはこういう“パンモロ”よりも、“見えないと思っていたら一瞬見えた!”というような、予想外のパンチラのほうがそそるようだ。その意味で最高だったのが、『人生相談テレビアニメーション「人生」』だ。女子高生が人生相談に応じるという設定で、『けいおん!』などの日常系にも通じるゆるふわアニメかと思いきや、実際は水に濡れた体操服と透けた下着など、お色気要素も強めのこの作品。それでも、パンチラはなかなか拝めなかったのだが、第2話で意外な人物のパンチラシーンが登場する。それが、体育会系のいくみという女の子だ。普段はスパッツを履いているため、絶対にパンチラすることのない彼女が、メイド服のコスプレで窓をまたいで入ってくる際、いきなり白いパンツがかいま見え、ファンを狂喜させたのである。
さらに、この予想外感をうまく使っているのが『精霊使いの剣舞』だ。こちらも、主人公の男子高校生が精霊使いの少女たちの育成学校へ編入するという設定の典型的なハーレム作品。ところが、第1話の冒頭からヒロインが全裸で水浴びするシーンがあったりするのに、パンツだけはなぜかなかなか見えない。もうないのか、と思ってあきらめていたら、後半、学院の風紀を守る「風王騎士団(シルフィード)」の団長・エリスがドアを蹴り開けた際に、黒タイツ越しのパンツが……! で、それ以降はヒロインのパンチラがちょこちょこ出てきて、これはパンチラアニメかと期待していたら、エンディングではキャラの太ももあたりのアップが続くのに、結局、パンツは見えないまま。見えそうで見えない、見えないと思っていたら見えたという駆け引きに完全に翻弄されてしまっているのだが、パンツァーにとってはそこがまたたまらないらしい。
彼らはただパンツが見たい、見えればいいというだけではない。見えるか見えないかというギリギリのラインでドキドキを楽しみたい。中には、見えなくても、脳内妄想で補完して楽しむことができるパンツァーもいる。“パンツァー”たちにとって自主規制は敵ではなく、むしろ、エンタテインメントをもたらしてくれるトラップのようなものなのだ。
そう考えると、見えそうで見えない作品もあれば、パンモロもあるし、さらには予想外のパンチラがいきなり登場する作品もある――そんな今期は、パンツァーにとってかなり楽しめるクールかもしれない。
(田口いなす)
最終更新:2018.10.18 04:25