こんな言動を平気で繰り返す人物が政府の諮問会議の議長を務め、政策決定に影響を及ぼすかと思うと、恐ろしいし、実際、大問題だ。しかも、「アホな国民感情」「ピアノの発表会なんてどうでもいい」と発言したのは、つい先月のことだ。菅政権は、いったいなぜこんな人物を、規制改革推進会議の議長という重職につけるのか。
内閣官房参与を務めていた高橋洋一氏が、コロナ感染者数について「さざ波」、緊急事態宣言について「屁のようなもの」と暴言ツイートを連発し、今年5月に辞任に追い込まれたばかりだが、菅政権はまったく懲りていないのだ。
いや、懲りていないというより、菅内閣はむしろ夏野氏のこうした暴言体質を買っているらしい。
夏野氏の議長就任を伝える日本経済新聞には、内閣府幹部のこんな言葉が紹介されていた。
〈内閣府幹部は「一貫して『とがった』発言をする人。世間への発信力も強い」と期待を寄せる。〉(2021年8月23日付)
東京五輪開催をめぐっても、ひどすぎるコロナ対策についても、これだけ多くの国民が批判の声を上げているのに、一切耳を傾ける気のない菅首相。夏野氏が議長となった規制改革推進会議の23日のオンライン会議で、菅首相は「悪しき前例主義にとらわれず国民目線であるべき姿を考える」などと語っていたが、本音では夏野氏同様、「アホな国民感情」「一般ピープルが口出しするのは大間違い」と思っているのではないか。
「自助」を政策理念に掲げる菅政権のもと、「金を持っていない一般ピープルは口出しするな」と考えている規制改革推進会議議長。このままだと、どんな棄民政策を打ち出してくるかわからない。一刻も早くそろって退場願いたい。
(編集部)
最終更新:2021.08.25 08:57