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民族差別だけでない 百田尚樹が五輪女性選手を「男だ」とあげつらう発言! この差別思想が安倍前首相の周辺にいる連中の本質

 民族差別、女性差別、ルッキズム、性的マイノリティ差別と差別の見本市状態の百田尚樹。百田氏は、中国人選手の外見を誹謗中傷した同じ7月30日に〈匿名で誹謗中傷するリプライを送るような人間は、本当にどうしようもない卑劣なバカだと思う。警視庁が対応してくれると言ってるんだから、選手はどんどん被害届を出せばいいと思う。わしも出そうかな〉などと被害者ヅラで誹謗中傷批判していたが、最も悪質な誹謗中傷しているのはお前だろう。

 だが、この作家のルッキズム、性差別発言は、なぜか問題にならない。名古屋市の河村たかし市長の金メダルかじり、ネットに飛び交う誹謗中傷についてあれだけ厳しく糾弾しているマスコミやネットニュースも、この百田氏の発言のことはほとんどふれようともしない。

「百田は公職にもついていないし、もともと差別的なネトウヨ界隈の人だから」と思うかもしれないが、思い出してほしい。この男は、つい2、3年前まで、総理大臣の有力ブレーンだったのだ。

 安倍晋三が総理大臣を務めていた時代、百田氏は重要な局面で安倍と対談や会食などを何度も繰り返し、その政策に大きな影響を与えてきた。一方で、“安倍応援団”としてメディアで政権擁護や批判者叩きをし、政権を支え続けた。そればかりか、第二次安倍政権初期の2013年11月に安倍首相の肝いりでNHK経営委員に任命されていた。つまり、2年間は公職についていたのだ。

退任後も、自民党の勉強会に呼ばれたり、安倍首相とも変わらず会食したりメディアで対談。そして、現在も安倍氏が後押しする「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の代表発起人として改憲の旗振り役を続けてきた。

 そういう意味では、百田氏の女性蔑視発言は、安倍前首相とその政権の体質、そして彼らが主導してきた東京五輪の姿勢を象徴するものだ。

 東京五輪では、開会式や文化イベントをめぐって、佐々木宏、小山田圭吾、のぶみ、小林賢太郎と、人権意識を欠いた差別発言が相次いで発覚。レイシストであるすぎやまこういち氏のゲーム音楽が選手入場行進に使われるという事態も起きた。

だが、これらはたまたま起きたことではない。本サイトが繰り返し指摘してきたことだが、安倍政権以降、歴史修正主義と差別排外主義まるだしで、芸術文化に無教養な連中が政権に蔓延るようになった関係で、人権意識や歴史認識に欠けるお笑いやテレビ、バラエティ出身、サブカルチャーの人間に公的な仕事をさせるようになった。百田氏も、まさにその代表格だった。その流れがそのままオリンピックに持ち込まれてしまったのだ。

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