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菅首相が安倍時代もしなかった言論弾圧、「学問の自由」侵害! 日本学術会議の会員任命で安保法制や共謀罪を批判した学者を拒否

首相官邸HPより


 首相就任から1カ月も経たないうちに、さっそく菅義偉首相が強権的な“人事介入”をおこなっていたことが判明した。「学者の国会」とも呼ばれる日本学術会議が推薦した新会員候補の6人を、菅首相が任命しなかったというのだ。

 しかも、菅首相が任命しなかった学者のなかには、安保法制や共謀罪を批判してきた学者も含まれているというのである。

 日本学術会議は内閣府の特別の機関のひとつで、総理大臣が所轄、経費は国庫負担となっているが、政府から独立し、科学にかんする審議や政府に勧告をおこなうなどの職務を担う。法律でも「わが国の科学者の内外に対する代表機関」と謳われており、210名の会員によって組織されている。会員の任期は6年で、3年ごとに半数の105名を改選。今年はその半数改選の年で、日本学術会議が新会員を選考し総理大臣に推薦、それをそのまま総理大臣が任命する──という流れで進むはずだった。実際、現行の制度となった2004年度以降、日本学術会議が推薦した新会員候補が任命されなかったケースは一度もない。

 しかし、今回の問題をスクープした本日付のしんぶん赤旗によると、日本学術会議から新会員として推薦されていた立命館大学大学院法務研究科の松宮孝明教授が、任命されなかったというのだ。

 松宮教授といえば、2017年に国会で審議されていた共謀罪について、参院法務委員会で「広く市民の内心を捜査と処罰の対象とし、市民生活の自由と安全が危機にさらされる戦後最悪の治安立法」「(戦前の)治安維持法よりタチが悪い」と参考人の立場から陳述するなど批判をおこなってきた人物だ。

 この松宮教授がしんぶん赤旗の取材に応じたところによると、9月29日夕方に日本学術会議の事務局長から「(首相の)任命名簿に名前がない」と連絡を受けたという。さらに、松宮教授のほかにも安保法制に反対した学者など数名が名簿から名前が外されており、「間違いではないか」と考えた事務局は政府に問い合わせをおこなった。しかし、そこで返ってきたのは、このような回答だったというのだ。

「間違いではない。理由はノーコメント」

 これは、憲法で規定される「学問の自由」を踏みにじる、総理による人事介入にほかならないではないか。

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