質問に答えようとせず、こんなデタラメな話を持ち出すこと自体、さすがは「自助」を掲げる菅官房長官と言わざるを得ないが、『報ステ』ではこのコロナ禍にあって「自助・共助・公助」というスローガンを掲げたことについて、徳永有美キャスターが「まず自助ということで、自分のことは自分でというその言葉はちょっと厳しいなというふうに感じるところもあると思うんですけれども」と質問。
すると、菅官房長官は会見で東京新聞の望月衣塑子記者に見せるような陰険で高圧的な態度をあからさまにして、こう述べたのだ。
「私は、この、社会として考えられる『自助・共助・公助』、『そして絆』ってあるんです。絆抜けてますけど」
徳永キャスターは「まず自助」という点を尋ねているというのに、菅官房長官はスローガンの「自助・共助・公助、そして絆」の「そして絆」が抜けている、と言い出したのである。「そして絆」って、それも結局は「自分や家族でなんとかしろ」と自己責任を押し付けているだけだろう。
実際、菅官房長官は「それはやはり、自分でできることまでやってみるというのが、それはそうじゃないでしょうか」などと発言。つまり、コロナ禍でも「自分でなんとかしろ」と国民に迫ったのである。
質問には答えない、ツッコまれるとデタラメなデータを持ち出し、些末というよりどうでもいいクレームをつける──。これはまるで安倍首相そのものではないか。しかも、菅官房長官は喋りが下手な分、何を言っているのか伝わらない。これで本当に国民に直接メッセージを発する必要のある総理大臣という職が務まるのか。
だが、このポンコツはさらに布石を打ってきた。8日におこなわれた候補者の共同会見で、総理大臣の国会出席について「大事なところで限定すべきだ。そうしないと行政の責任者としての責任を果たせない」などと語り、総理大臣の国会出席を制限すべきだと主張したのだ。
国権の最高機関である国会で議論しない、国民に説明できないような総理大臣には、そもそも行政の責任など果たせるはずもないが、総裁選の段階からすでに国会に出席したくないという欲望を隠そうともしないって……。どうやらこの国は、姑息かつ強権的な“ぶっ壊れた”総理によって、さらに民主主義が破壊されていくことになりそうだ。
(編集部)
最終更新:2020.09.10 06:59