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GoToの東京除外では感染拡大は防げない! 徹底した検査の拡大で経済活動との両立を目指す韓国やNYと対照的な日本政府

 政府の分科会の初会合後におこなわれた7月6日の西村康稔コロナ担当相と尾身茂会長の記者会見でのこと。尾身会長が無症状者への大規模なPCR検査実施について「PCR陰性であってもその時点での陰性を示すのみで、実際には感染しているのに陰性となる偽陰性の場合もあり得る」などと説明。試算として感度が70%、特異度99%と仮定し、「1%の人が感染していると思われる1万人に検査を実施すると、99人は感染していないのに陽性(偽陽性)となり本来不必要な自宅待機、入院などの措置が取られてしまう可能性あり。また30人の人は感染していても陰性(偽陰性)となり、知らずに感染を広げてしまう可能性あり」と述べたのだ。

 西村コロナ担当相も同様だ。昨日の衆院予算委員会で「無症状者で、じつはPCR検査も陰性と判断されても、そのなかには3割は本当はかかっている方おられるんで。偽陰性もあります。きょう陰性で安心しても今晩かかってしまうかもしれません。やるなら全員が毎日毎日受けなきゃいけないことになってしまいます。これは現実的には難しい」と答弁した。

 いったいこの人たちはいまさら何を言っているのか。一部検査に誤りが出るからといって検査の実施を否定すれば、いまやっている「夜の街」の無症状者に対する検査も、Jリーグが2週間に1度おこなっている検査も、病院で入院患者に実施している検査も、全部無意味だということになる。そんなに偽陽性・偽陰性を心配するのならば、陽性と判断された無症状者には2度検査をおこなうとか、陰性と判断されても安心しないよう周知徹底させ、ニューヨーク州のように繰り返し検査を受けられるようにすればいいだけの話だ。

 だが、西村コロナ担当相や尾身会長はもちろん、PCR検査拡充否定論者の医師たちも偽陽性・偽陰性の問題を持ち出しては検査の拡大を否定し、感染がどんどん広がる状況になっているのである。

 これは、コロナの感染が拡大し始めた3月ごろとまったく同じだ。安倍政権が中途半端なクラスター追跡にばかり固執しているあいだに市中感染が広がり、症状があるのにPCR検査も受けられないという人が溢れた。だが、このときも厚労省、専門家会議、御用ジャーナリストが声を揃えて「PCR検査は多くすればいいというものではない」「必要な検査はおこなわれている」などと検査拡大を否定した。

 これは、検査体制の不備をごまかしたい厚労省、東京五輪開催中止を避けたい安倍首相や小池百合子都知事らの意向などが影響したと考えられるが、しかし、その結果、何が起きたか。感染は急拡大し、検査を受けられない、医療にアクセスできない人の症状が悪化して死に至るという不幸なケースが頻発したのではなかったか。

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