だいたい、いまの世界状況をみれば、7月に予定通り東京五輪開催など物理的にありえないのだから、感染リスクを真剣に考えるのであれば、聖火リレーをはじめとする関連イベントもさっさと中止や延期の判断をするべきだろう。
しかし東京五輪関連イベントは放置したまま、民間のコンサートや演劇、スポーツなどのイベントには、なんの補償もないまま自粛を迫る。あまりにちぐはぐすぎるだろう。
突然の休校要請で、多くの子どもたちが満足に卒業式ができなかったにもかかわらず、安倍首相は今日、防衛大学校の卒業式(家族の出席はなし)に出席し、改憲に意欲を示していた。先日の会見で急に「卒業式をやってください」などと言い出したのはこのためだったのかと勘繰りたくなるが、とにかく、矛盾だらけなのだ。
たとえば、この3連休を前にして、首相官邸の災害・危機管理情報用のツイッターアカウントなどが、「3つの密を避けて外出しましょう!」として、密閉空間・密集場所・密接場面を避けて外出しようと呼びかけていた。もちろん主旨は「外出する場合には、密は避けよう」なのだろうが、これでは積極的に外出しようと呼びかけるメッセージと捉えられかねない。
しかも、ここのところ政府は「持ちこたえている」「休校要請を解除の方針」などとまるで日本ではコロナが収束しつつあるかのような空気さえ醸し出していた。ただでさえ、一斉休校要請以来の自粛ムードにも多くの人が疲れや飽きを感じ出していたところだったのに、あまりに無策すぎるだろう。この3連休、上述のK-1や聖火展示に限らず、全国各地の混雑状態となる場所が出ていた。
本来なら、連休を前に安倍首相は、国民に向けて自分の言葉であらためて注意を呼びかけるべきだったろう。しかし、近畿財務局職員の遺書と手記について、記者から追及を受けたくないからと、会見すら開かなかった。
このまま安倍政権を放置していたら、まともなコロナ対策が取られることがないまま、感染は拡大し続け経済的損失もどんどん膨れ上がる。そんな恐ろしいレールの上に、私たちは乗せられているのではないか。
(編集部)
最終更新:2020.03.23 12:21