百田尚樹Twitterより
まさか安倍応援団が自ら官邸・自民党との金銭癒着を暴露してくれるとは……。安倍政権がコロナ問題で中国人全員の入国拒否をしなかったことに腹を立て、最近、やたら政権批判を口にするようになった百田尚樹センセイ。安倍政権を擁護している右派論客とも内ゲバを繰り広げているが、そうした流れの中で、24日、こんなツイートをしたのだ。
〈保守論客の中には、官邸から仕事をもらったり、選挙のたびに応援演説に行き少なくない謝礼をもらったりしている人がいる。まあ、それは許そう。しかし、そういう恩義で今回の官邸の対応を擁護しているとしたら、最低だと思う〉
さらに3時間後には、差別用語を交えながらこう追い討ちをかけた。
〈まあ、あれだけ謝礼をもらえたら、官邸の悪口は言えんわな。選挙のたびに金が入るんやから。 コジキやね。〉
たしかに、百田センセイの言うとおり、安倍応援団の評論家やジャーナリスト、右派論客たちに、官邸や自民党から巨額の金が流れているという話は前々から指摘されてきた。政治資金収支報告書に田崎史郎氏や三浦瑠麗氏への支払いが記載されていたのは記憶に新しいが、それ以外にも、講演会や勉強会の講師、PR媒体でのインタビュー、原稿執筆、というかたちで仕事をもらっている安倍応援団は山ほどいる。
しかも、支払われている金は表の金だけではない。安倍政権は領収証のいらない官房機密費から「政策推進費」という名目で6年間合計67億円を使っているのだが、これらのかなりの部分が右派メディアや安倍応援団ジャーナリスト・評論家に支払われていることは確実といわれてきた。
また、本来は謝礼を受け取ったら公選法違反に当たる可能性のある選挙演説でも、裏で自民党議員から高額の謝礼をもらっているケースがあるのではないかと指摘されてきた。
しかし、今回は官邸や自民党に極めて近い百田センセイが「保守論客の中に仕事をもらったり、少なくない謝礼をもらっている人がいる」と告発、公選法違反の疑いのある選挙の応援演説での高額謝礼まで告発したのだ。安倍応援団が金儲けの利権となり、裏で違法性の高い金のやりとりが行われていることは確定的といってもいだろう。
しかし、だとすると、気になるのは百田氏がいったい誰を指してこんなことを言っているのか、だ。まず、すぐに頭に浮かぶのは、この間、コロナ対応をめぐって百田尚樹と舌戦を繰り広げていたネトウヨ経済評論家の上念司だ。
中国人の入国禁止を強硬に主張する百田氏に対して、上念氏が「渡航制限はさほど効果がない」と主張したことで、百田氏がブチギレ。上念氏のことをディスっていた。その流れで名前を伏せたまま攻撃ツイートをした可能性はある。
安倍首相御用達評論家の小川榮太郎氏も百田氏の条件にあてはまる部分がある。選挙演説ではないが、小川氏が安倍擁護本を安倍事務所に爆買いしてもらうなど、安倍首相がらみの仕事をしてきたのは今更説明するまでもないし、コロナ対応でも一貫して官邸を擁護していた。
実際、小川氏はくだんの百田氏のツイートと同じ24日、やはりツイッターで〈まずは現時点での政府の広報に従って行動してほしい。知識や情報、取材のないまま先走った政府批判をするのは国民の判断を大きく狂わせ、劇症化拡大を最小限にする政府国民一体での取り組みを阻害します。必要な具申があれば政府に取り次ぎますので私にお知らせください。〉と呼びかけ。
百田氏から〈政府に取り次ぐって… 小川さんは政府の出先機関ですかって話。 そういうことを言えば、政府広報ですかと思われますよ。〉と、批判を受けていた。