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池上彰とカズレーザーがフジ特番で日韓右派合作のフェイク本『反日種族主義』に丸乗っかりして韓国ヘイト! その間違いを徹底検証する

『反日種族主義』に丸乗りした韓国ヘイトに、歴史修正主義の全面肯定……。他の問題では中立的で客観的な印象のある池上彰がこんな内容の番組を垂れ流すとは驚きだが、しかし、実を言うと、池上の韓国にまつわるフェイク垂れ流しヘイト的姿勢はこれが初めてではない。

 2015年に今回と同じフジテレビ特番『池上彰緊急スペシャル! 知っているようで知らない韓国のナゾ』が放送されたのだが(おそらく今回の番組とスタッフも同じだろうと思われる)、ここでも池上はフェイク丸出しの韓国攻撃を展開していた。

「憲法前文に驚き記述 創られた反日建国神話」というコーナーで、「韓国の人たちが、日本を嫌いっていうのを見てきたんですけど、実は、韓国の憲法前文に、その反日の原点ともいう部分が、書かれてるんですよ」として、韓国憲法前文の一節を紹介したのだが、その前文には「反日」という記述なんてどこにもなかったのだ。

 その後も、池上と番組は大韓民国臨時政府には実体がなかった(本当は実体があった)、韓国は自分で日本と戦ってないから引け目がある(本当は抵抗運動をやっており、宣戦布告もしていた)、臨時政府の名前を使って反日の建国神話をでっちあげた(本当は臨時政府が一番反日色が弱い)など、一部の嫌韓本やネトウヨのデマにそのままのっかったフェイク的解説を垂れ流した。

 しかも、この番組ではもっと悪質な捏造まで行っていた。韓国の女子高生への街頭インタビューで「文化がとても多いです。外国人の方もたくさん訪問してくださってます」と言っているにもかかわらず、「嫌いですよ。だって韓国を苦しめたじゃないですか」という日本語訳をつけたのだ。ようするに、韓国人の反日を強調するために、ありもしないインタビューを加工したのだ。

 いったい池上はなぜ、韓国が絡むテーマにだけこんな一方的でエキセントリックな韓国攻撃を展開するのか。その背景については改めて検証したいが、しかし、この池上の姿勢はいまのマスコミの象徴でもある。日本のマスコミは、安倍政権が仕掛ける“嫌韓キャンペーン”に後押しされ、視聴率目当てで次々と「韓国特集」を組む。韓国市民の「反安倍政権」声を勝手に「反日」に置き換えて対立を煽りながら、最後は「戦後最悪と言われる日韓関係の改善の糸口はどこにあるのでしょうか」などと無責任に放り投げるというのがパターンになっている。

 しかし、本当の意味で「日韓関係の改善」に必要なのは、「韓国の反日」を見下して伝えることではない。日韓の関係史、侵略の歴史をしっかりと見つめ直しながら、安倍政権が「戦後最悪の日韓関係」をいかに政治利用しているかを分析すべきではないのか。

最終更新:2020.02.05 12:34

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