スタジオにいる他のコメンテーターも一様に似たような反応を見せた。ガダルカナル・タカは「本当にコアなファンの間だけで、『俺はへこたれずに頑張るよ』っていう意味のブラックジョークをちょっとずつ発信する分にはいいのかもしれないですけれども、不特定多数の人が見ることのできるようなツイートでこれをやると、さすがに、『この時期にこれはないよね』って言われるでしょうね、絶対」と発言。石野卓球も謝罪をし、殊勝な態度で生活するべきであると述べたのだ。
IKKOも同じだ。IKKOは「やっぱり、私はちょっと理解できなかったですよね。やっぱりあの、社会人としてね、すごい迷惑をかけているわけじゃないですか。みんなに。こういうことではなくて、ちゃんと真摯に受け止めて。やっぱり、メンバーですからね」と語り、ガダルカナル・タカよりも明確に石野卓球が謝罪する必要性を説いた。
さらに坂上はバカにしたような様子で「石野さんにしたら、『なにが社会人だよ、ロックなんだよ〜!』って気持ちかもね」と言い出し、この坂上のおじさんぶりには「電気グルーヴってロックなのか」「卓球がやってるのは、テクノであってロックじゃないのでは……」とネット上で多くのツッコミが上がった。
挙げ句、「ピエールさんは素直に取り調べに応じているのに」と、なぜか逮捕されたピエール瀧よりも石野の対応のほうが重大問題くらいの、転倒した論調にすらなっていた。
とはいえ、こういった論調は『バイキング』に限ったものではない。同日放送の『直撃LIVEグッディ!』(フジテレビ)でもコメンテーターの口から同様の主張がなされた。
エコノミストの伊藤洋一は「漫才のカップルだって片方がなんかしたら片方が謝っているケースが多いよね、常識的にはそういう対応なのかなと僕は思います」と発言。
また、教育評論家の尾木直樹も「今回30周年のツアーの最中なわけでしょ。それが中止になって、少なくともファンには迷惑をかけているわけですから、そういうところはね、ちゃんと説明して、『ごめんなさい』と言うのは、あったほうがいいんじゃないかなという気はしますけどね」とカメラの前で語った。
コメンテーターたちは石野の対応に対し、「グループの誰かが不祥事を起こしたら、他のメンバーも謝罪するべき」と「連帯責任論」を振りかざしているのだ。
実際、そのような対応をとるグループは数多い。とくにここ最近は、山口達也が強制わいせつ容疑で書類送検された際には他のTOKIOのメンバーが会見を開いているし、また、友井雄亮が過去に交際していた女性に対するDVを「週刊文春」に報じられた際には純烈の他のメンバーも謝罪会見を開いている。同じグループのメンバーも謝罪会見するのが、スタンダード化しつつあるのだ。
TOKIOのケースにしろ、純烈のケースにしろ、明確な被害者のいる事例であり、加害者である当人は真摯に謝罪する必要があるだろう。しかし、なぜ、何の関係もない他のメンバーまで、スーツを着て公の場に立ち、深々と頭を下げて謝らなければならないのだろうか。