ところが、そんななか、昨日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)だけは、「日の丸」をめぐる政治家たちのイキリっぷりを正面から批判した。
たとえば、女優の高木美保は高野連についても、「旗とかジャパンっていうのを外したことが、『忖度』っていうふうに批判されているんだけれども、『忖度』というものに該当するのか。むしろ積極的な平和的な友好の態度ではないかというふうにとるべきだと思います」と擁護したあと、政治家の勘違いぶりを真っ向から指摘した。
「政治家が旭日旗とスポーツウエアについていた日の丸を同列で扱うようなコメントとか、政治家がいっつも余計なことを言うんですよね」
「むしろ、日本の政治家に政治とスポーツをごっちゃにしている人がいるなっていうことが、韓国にわかってしまった、それが問題だと思います」
続いて、コメンテーターの玉川徹氏は、「外したのは過剰反応だっただろうな。韓国の人たちは別に日本人のことを嫌いだ嫌いだと言っているわけじゃないですよね」と前置いたうえで、このように政治家の反応を徹底批判した。
「で、まさに問題なのは、高木さんもおっしゃったように、政治家です。もうね、この自民党の武田元防衛副大臣の話を聞いていると、なんだ?と。日の丸を外すなら試合に参加しなくてよい? どういうつもりで彼ら(選手たち)がその試合に臨むかっていうのは人それぞれですよ。選手個人の問題だけど、こういうふうな大会っていうのは、少なくとも高校生なんだから、高校生どうしの国際的な親善をはかるとか友好のためにやってる。ましてやこれはある種教育の意味も含めてこういうことをやってるわけでしょ。彼ら高校生に日の丸を背負えって言ってるようなもんじゃないですか、政治家が。学徒出陣か!?と思うわけですよ、こっちとしては」
たしかに、玉川氏の言う通り、政治家による「日の丸を外すなら試合に出るな」という恫喝は、つまるところ「日の丸を背負ってお国のために働け」という意味だ。まして公権力が未成年の高校生たちに「日の丸」を押し付け、海外へ送り出すのは、なるほど、お上が戦中に未成年を徴兵し、戦地へ出征させた「学徒出陣」と同質のマインドだろう。
さらに玉川氏は、「切り離すべきだと、まさに、切り離すって言うべき政治家が何を言ってるんだと。僕はここに一番の怒りを感じますね」と続けたが、まさしく、こうした政治家の戦前回帰的発言こそ強く批判されるべきだ。