自民党の武田良太元防衛副大臣は「日の丸外すなら参加するな、そんな気概では勝てない」
たとえば、自民党の武田良太・元防衛副大臣は自民党本部で開かれた外交部会などの合同会議で「韓国が強要したのなら極めて非常識で失礼だが、強要されていないのに自ら日の丸を外すのはもっと問題だ」と高野連を批判。さらには「自ら日の丸を外すのなら、試合に参加しなくてよい。そんな気概では勝てない」と述べたという(産経新聞より)。
「日の丸を外すような気概では勝てない」って、旗手の兵士に「死んでも旭日旗を手放すな」と厳命した戦中の日本と同じ発想ではないか。
また、安倍首相の覚えもめでたい和田政宗参院議員もTwitterに〈高野連は、日本代表として戦う選手に対して失礼だし、日本代表の誇りを持ち遠征する選手の気持ちをないがしろにしている〉〈高野連は意味不明な対応だ〉(28日)などと投稿。知りもしない選手の気持ちを利用して、「日本の誇り」を強要するグロテスクぶりを発揮した。
そもそも、こいつらは今回、高野連がこうした判断をせざるをえなくなった理由をわかっているのか。完全に安倍政権の“嫌韓キャンペーン”で両国の関係が泥沼化しているからではないか。
にもかかわらず、日韓関係を悪化させた張本人である政権の政治家たちが、その責任を完全にネグって、“お上”から「日の丸を外すな!」と恫喝、まして「日の丸を外すなら試合に出るな」と圧力をかけるとは……。ホント、何様なのか。
だいたい、選手たちは政治的軋轢に左右されることなく、普通に試合をしたいはずだ。「高野連は選手の気持ちをないがしろにしている」と言うが、まず、政治のせいでこんな状況になったのを詫びるのが政治家としてのスジだ。それを、自分たちの責任はほっかむりして説教する。完全に“脳ミソが戦中仕様”としか言いようがあるまい。
それは、マスコミも同様だ。自分たちで散々日韓対立を煽っておいて、この問題で政治家の圧力などをほとんど批判せず、「日韓関係の悪化が野球にも波及」などと澄まし顔で解説する始末だった。