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新元号「令和」への官邸誘導はやっぱりあった! マスコミが報じない有識者懇談会、衆参両院正副議長意見聴取の内幕

 新元号をめぐる安倍政権の強引な姿勢は、有識者懇談会に対してだけではない。その後の手続きでも露わになった。有識者懇談会が終わると、新元号案について衆参両院の正副議長への意見聴取をおこなうが、そのやり方をめぐって、衆院の赤松広隆副議長が激怒したのだという。

「官邸側は当初、新元号に関する衆参両院の正副議長への意見聴取を、国会内でおこなうことにこだわっていた。そして『発表までおとどまりいただきます。携帯電話は預からせていただきます』と書いた文書を正副議長に通知したんです。これに対し、国会は国権の最高機関であるとして赤松氏が猛反発。菅官房長官がなだめようと何度も電話をかけても赤松氏は携帯電話に一切出なかったほど。結局、衆院議長公邸で意見聴取がおこなわれたのですが、その後も赤松氏の怒りは収まらず、『安倍の安の字が元号に入っていたら絶対反対する』と周囲に話していました」(全国紙政治部デスク)

結局、「安」の字は元号に入っていなかったものの、前出の関係者によれば、「令和」についても、「令」の字が「政府による国民や立法府への命令をイメージさせ、新元号に上意下達の印象を与える」という趣旨の見解が意見聴取の際に示されたという。

ところが、こうした異論の存在は一切公にされず、まるで「令和」が国民総意の決定であるかのような世論づくりがおこなわれ、その結果、安倍政権は冒頭で説明したような政権浮揚にまんまと成功したというわけだ。全国紙社会部記者がため息交じりに語る。

「マスコミはその政権浮揚に完全に手を貸したかたちになりましたね。新聞・テレビは新元号が決まるまで特集記事や特番を組みながらカウントダウンし、国民的イベントを演出。その仕上げとして、決定後、安倍首相を出演させ、PRを垂れ流したわけですから」

いまからでも遅くはないだろう。政権浮揚に担がれたマスコミは、その元号決定までの経緯を子細に検証し、いかに政治的な産物だったかを白日の下に晒すのがせめてもの責務ではないか。

最終更新:2019.04.04 07:04

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