現在のメディアの興味は「上沼恵美子は2人を許すのか否か」に集中している。
9日、『上沼・高田のクギズケ!』(読売テレビ)に出演した上沼は、「それとお二人のことはまったくなんにも思っておりません。暴言だなんだて言ってますけども、全然結構です」「悪いですけど興味ないです」と語り、本人は2人の暴言を気にも留めていない旨を語った。
また、12月11日付のWeb版「女性自身」で記者から直撃を受けた上沼は「私思うんです。お酒を飲んでくだをまくことなんてのはよくあること。だからね、天下取ったらいいんですよ。彼らがダウンタウンのようになったら何言おうが失言になりませんからね。頑張って、日本一の漫才師になってほしいと思います」と語っている。
しかし今回の発言は、上沼個人が許すかどうかという問題ではない。問題の本質は、上沼のみならず、すべての女性とりわけ更年期障害に苦しむ女性に対する差別問題だ。
しかし、いまでは「女性蔑視」問題は完全に消えてしまった。
おそらくこの先騒動が長引くと、今度はどこかのタイミングで“心の狭いオバハン”“オバハンが権力を笠に着ている”と、上沼への非難に反転する可能性もあるだろう。上沼が2人の発言をきちんと批判することをせず、鷹揚な態度を見せたのも、その辺りの空気を読んでのことだろう。陰で2人を干し上げるようなことはするべきではないが、女性蔑視については公の場できちんと批判したほうがいいのではないか。
このままでは、この問題は単なる“大物芸能人への舌禍事件”として矮小化され、上沼が2人を許したからという言い訳でこのままフェードアウトしていくのだろうが、こうして芸能界にはびこる男尊女卑体質は温存されていくのである。
(編集部)
最終更新:2018.12.12 04:25