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安倍政権に災害の対応押し付けられるコンビニオーナーの苛酷! 本部からは「避難は最後」「店を閉めるな」圧力

『コンビニオーナーになってはいけない 便利さの裏側に隠された不都合な真実』(旬報社)

 非常に強い台風24号が沖縄を襲い、本州を横断しようとしている。なんとか被害が最小限にとどまることを祈りたいが、こうした自然災害が起きるたびに、コンビニ取材を続けている筆者が気になることがある。台風、地震、大雨などの自然災害で、安倍政権がコンビニエンスストアに、災害対応を押し付ける動きが激しくなっていることだ。

 7月の西日本豪雨災害で安倍政権(首相官邸)もこのコンビニをPRに積極利用している。たとえば次のようなコメントをFacebookで投稿している。

「本日、生活に欠かせない飲料水やカップ麺などを、自衛隊が各店舗まで直接運ぶ、緊急輸送を実施しています。事業者による輸送とあわせ、今日一日で、セブンイレブンでは通常の2倍、ローソンでは通常の4倍以上にのぼる水や食料を、呉市内の各店舗に配送する予定です(略)」

 さらに、9月に発生した北海道胆振東部地震では、世耕弘成経済産業大臣がTwitterで自慢げにこんな投稿をしていた。

「9月8日 コンビニは被災した少数の店舗を除き、全店開店予定。水、カップ麺は本州からの送り込みは到着済。停電解消で配送センター復旧で、通常以上の発送体制。今晩か明朝には品不足は解消見込み。おにぎり、弁当も工場が復旧。生産再開中。一部供給開始済。全域拡大に向け各社対応中」

 救援物資を被災者に直接、配るというならともかく、コンビニが開店するとか、商品が届くというのを何を自分たちの手柄のように、自慢げに語っているのか。

 まったく、安倍政権の空疎な「やってる感」演出には辟易とさせられるが、しかし、この災害時のコンビニ利用は、安倍政権の災害対策の目玉らしい。

 実は、大手コンビニは、2017年6月から災害対策基本法に基づいて指定される「指定公共機関」に追加されており、災害時に国の要請に応じて、ライフラインの復旧や支援物資の輸送などの緊急対応を行うことになっているのだ。つまり、いざとなれば、コンビニが、国の機関のかわりになる公共インフラに組み込まれているのである。

 しかし、コンビニエンスストアは店ごとにオーナーが異なるフランチャイズ経営で、その加盟店オーナーの多くは脱サラ組の個人経営者だ。そこまでの負担を受け入れて、国のために奉仕する余力があるのだろうか。

 しかも、コンビニフランチャイズのオーナーは、本サイトでこれまで何度も指摘してきたように、きわめて劣悪な労働環境に置かれている。オーナー自ら寝る暇もないほど働いても、ほとんどの利益を本部に持って行かれてしまうブラック労働状態のうえ、ちょっとでも本部の命令に反すると、たちまちペナルティを課されてしまう。

 災害時の対応を行うといえば聞こえはいいが、こういうブラックな構造を考えると、そのツケはすべてコンビニオーナーに押し付けられてしまう可能性が高いのだ。

 最近、コンビニ加盟店ユニオンとジャーナリスト・北健一氏による共著『コンビニオーナーになってはいけない 便利さの裏側に隠された不都合な真実』(旬報社)が出版されたが、そこでも、災害において、コンビニオーナーたちがとてつもなく過酷な任務を強制されている事実を、コンビニ加盟店ユニオン副執行委員長の三井義文氏が語っていた。

 コンビニチェーンによっては原則として、コンビニ本部とフランチャイズオーナーの間で、24時間365日店を開店することを義務付けられている。もちろん緊急災害時などは例外が認められているが、現場では、基本的にどんなことがあっても店を開け続けるよう、プレッシャーをかけられているという。

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