しかも、このマンガは、フェミニズム的な価値観を啓蒙するだけ、というような単純な作品ではない。
前述したように、主人公の神山は、アイドルグループのセンターをつとめていたが、握手会の最中にファンから切りつけられるという過去をもっている。しかし、第1話では、その「アイドル」を、たんに男の性的欲望のはけ口ではなく、むしろ女性を性的抑圧から自由にする存在でもあることを示唆している。
つまり、『さよならミニスカート』は、「男社会の論理に踊らされていることに気づく」だけのストーリーでなく、まさに「女子のなかで無理やり進行させられている分断」を乗り越える物語ではないのか、そういう予感がするのだ。
前出の「りぼん」相田編集長はホームページ上にこんな言葉も載せていた。
〈このまんがに、無関心な女子はいても、無関係な女子はいない。今こそ、読んでください。今こそ、すべての女子に捧げたい〉
これからどのようなかたちで物語が展開されていくのか。注目の連載である。
(編集部)
最終更新:2018.10.18 03:27