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沖縄戦を描いた映画『ハクソー・リッジ』が“沖縄”を隠して宣伝…背景にはネトウヨの“反日”攻撃への恐怖

 沖縄の住民への配慮か、ネトウヨの攻撃を恐れたのか、いずれにしても、今回の『ハクソー・リッジ』の“沖縄隠し”は過剰な自主規制の典型といえるだろう。

 しかも、これは『ハクソー・リッジ』にかぎったことではない。実は、いま、メディアでは「とにかく沖縄を扱うと、面倒なことになる」という空気が広がっている。沖縄における戦闘の悲惨さや基地問題を伝えるだけで、ネトウヨから「反日」「売国」といった攻撃が殺到するのだという。

 その結果、テレビでは、沖縄の歴史をほとんど報じることがなくなってしまった。さらに、その空気はドラマや映画の世界にまで広がり、まさに沖縄の悲惨な歴史が消されようとしている。

 塚本晋也監督は前掲「映画秘宝」で『ハクソー・リッジ』での沖縄市民の描き方に問題提起した後、それでもなお、このように語っている。

「でも、真っ先に言っておきたいのは、いまの若い人にはぜひ観てもらいたい映画だということです。そもそも日本が昔どこと戦争したのかという知識もあいまいになってきている若い人には、実際こんなに悲惨な戦争があったという事実だけでも知っておかなければならないと思います」

 しかし、私たちはいままさに、その戦争の悲惨さを知る機会を失いつつあるのだ。それは想像以上に危機的なことなのではないか。

最終更新:2017.12.06 03:33

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