旧・kinkin.tv公式サイト「愛川欽也パックインジャーナル」より
本日4月15日は愛川欽也の三回忌にあたる。先日9日には三回忌を記念したチャリティーイベントも行われ、映画『トラック野郎』シリーズにちなんだ550台ものデコトラが会場に並んだこともニュースとなった。
愛川は、俳優、司会者、映画監督など、多くの肩書きをもち、そして、それらどの分野でも高い業績を残したのはご存知の通りだが、彼の残した仕事のなかで当サイト的に最も注目したいのは、平和主義者として言論活動にあたってきた側面である。
愛川は自身の戦争体験なども語りつつ、憲法改正に対し「反対」のメッセージを発信し続けてきた。その最たるものが、20年以上にもわたり放送し続けていた『愛川欽也 パックインジャーナル』(朝日ニュースター)である。
この『パックインジャーナル』は、愛川のリベラルな考えを前面に押し出したニュース討論番組で、原発問題をはじめとした政権批判に類する発言も躊躇なく飛び出し人気を博した。その過激さは、ジャーナリストのあいだでも「地上波での放送は無理」と言われたほどである。
しかし、この番組は2012年3月いっぱいをもってCS放送局・朝日ニュースター内での放送は終了。その後は、愛川自身が立ち上げたインターネットメディア「kinkin.tv」に放送の舞台を移すのだが、その裏には過激な放送内容をめぐるテレビ朝日からの圧力があった。
『パックインジャーナル』放送終了をめぐる問題は、いま現在でも続き、そして日に日に悪化していくメディアの忖度体質が始まった最初の例のひとつと言えるのかもしれない。
当サイトでは、『パックインジャーナル』にかけられた圧力と、それに屈せず自らの信念を貫き通した愛川欽也の足跡を記事にしたことがある。ここに再録するので、言論の自由のために戦った彼の強い思いを改めて噛み締めてほしい。
(編集部)