裏オプとは、店には内緒で女子高生と男性客が金銭交渉し、手コキ、フェラ、本番などの売春行為を行うことを指す。表向き裏オプを店は関知していないことになっているのだが、当然このような行為が行われていることは暗黙の了解であり、その裏オプこそがJKビジネス店にとっての呼び物となっていた。
13年の一斉摘発を始めとして、こういった業種に関する風当たりが強くなってきたことにより、行政とJKビジネス経営者のイタチごっこは激化。表立って看板を掲げる店は、アンダー(18歳以下)は使わずにオーバー(18歳以上)の女性だけでスタッフを固める店が増え始める。その結果、現役の女子高生だがもうすでに18歳の誕生日を迎えているという、非常に狭い年代の少女がもてはやされる異常な状況も生み出されたが、15年1月には彼女たちも補導対象となった(学校に通っていない場合は補導対象外)。
そして現在では、本稿冒頭で挙げた愛知県のようなJKビジネスを規制できる条例を警視庁も検討し始めている。このような状況下で進行しているのが、地下に潜ることでの過激化であると高木氏は主張している。
その典型的な例として、本書では従業員全員がアンダーとして好事家の間で話題になっているという新大久保のJKコミュ店(本の中では「A」とイニシャルだけが記されている)のルポが掲載されている。
JKコミュとは、JKコミュニティルームの略で、小部屋で女子高生と二人っきりで会話ができることを呼び物としている業態のこと。これ自体は昔からある業態なのだが、この新大久保の店が異様なのは、雑居ビルの1フロアにあるその店が、空きテナントを示すいわゆる「白看板」状態で営業されており、それにも関わらず行列ができているということだ。その店内には個室が7つほどあり、大音量で流行のJポップが流れていたという。
この「大音量で音楽が流れている」ということには重要な意味合いがある。本書にコメントを寄せているJKビジネス店のマニアはこう語る。
「リフレやコミュは、あからさまに裏オプがある店、ない店が分かる。それは店内に流れるBGMを聞けば一目瞭然で、騒がしい店は裏オプがある。それは交渉過程の会話や裏オプによる喘ぎ声が漏れ伝わるのを音楽で掻き消し、客も女のコも破廉恥行為をしやすくしている」
さらに、この店の過去を調べると驚くべき事実が分かった。