作家・林真理子が指摘する中高年ネトウヨ化の原因とは(画像は『美女入門スペシャル 桃栗三年美女三十年』マガジンハウスより)
最近、ノンポリ、あるいは保守的と言われていた作家や芸能人が安倍政権とその改憲への動きに危機感を表明するケースが増えている。
作家の林真理子もそのひとりだ。林はもともと、安倍首相直轄の有識者会議「『日本の美』総合プロジェクト懇談会」のメンバーであり、安倍首相や昭恵夫人とも旧知の仲。典型的な安倍応援団と目されてきた作家だったが、昨年の安保法制論議のころからその右傾化政策を批判するようになった。
今年2月には「週刊朝日」(朝日新聞出版)2月12日号の高橋源一郎との対談でこんな不安を口にしている。
「それにしても私、安倍(晋三)さんがこれほど長期政権になって力を持つとは思わなかった。今年になって「改憲」をはっきり言うようになったでしょう。「えっ、ウソ!いつの間に世の中そんなふうに進んだの?」って感じ」
「ほんとにちょっとまずいんじゃないかと思う」
あの林までがこんなことを言い始めるくらい、いまの日本は危ないということだろうが、その林が先日、安倍政権だけでなく、自分の夫の“ネトウヨ化“を憂う発言をして、ちょっとした話題になっている。
発言があったのは、6月27日に復刊された「朝日ジャーナル」(朝日新聞出版社)でのこと。同誌には「『若者たちの神々』のそれから」と題された林と作家・島田雅彦の対談が掲載されているのだが、その対談で林が1961年生まれの島田の年齢を聞いた後、いきなりこんな話を切り出しているのだ。
「うちの夫は団塊の世代ですが、朝日新聞を読みながら『なんだこの記事は。もう朝日をとるのはよせ』と言うのが毎朝の儀式なんです」
これに対し島田は「といっても、産経じゃないでしょう」とフォロー(?)するのだが、どうやら原因は「産経」だったらしい。林は続けて高齢者にありがちな右傾化が産経新聞のネット版によって引き起こされていると分析し始めたのだ。