いくら優等生キャラだったとはいえ、ベッキーはたかだか“不倫”というプライベートの問題で、犯罪行為を行ったわけではない。しかしワイドショーを筆頭にしたマスコミはベッキーを糾弾し、すべてのCMを降板、芸能界休養にまで追い込んだ。『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS)での懺悔インタビュー、復帰会見を経た現在も、本格復帰にはいたっていない。
石田も政権に批判的な発言をしたというだけで、なんの犯罪行為もはたらいていないにもかかわらず、スポンサーから莫大な違約金を請求され、CMやテレビ番組の降板をちらつかされた。
ところが、痴漢騒動という刑事事件に発展する可能性すらあった中島は、会見を開いたり芸能界を休養するどころか、謝罪コメントの一言すらなく、痴漢騒ぎなどなかったかのように一切を無視したまま、連続ドラマ初主演という晴れ舞台に立っているのだ。
ジャニーズ事務所に言われれば、犯罪まがいの行為をはたらいても何事もなかったかのようにドラマ主演の座に居座り続けられる。一方で、弱小事務所のタレントは不倫やご近所トラブル、酒癖、態度の悪さといった些細なことでも猛バッシングを浴びる。なんなら、ベッキーの不倫にくらべれば中島の痴漢行為などまるで些末なことのような錯覚すら視聴者に抱かせてしまう。
ジャニーズ事務所の圧力とそれに服従する芸能マスコミの弱腰ぶりはいつものことだが、いくらなんでもこの理不尽さは異常だ。
野党議員の失言とも言えないような発言がバッシングされるなか、安倍政権の閣僚の賄賂は追及されない。芸能報道に限らず、マスコミの「強きを助け弱きを挫く」体質は、日本社会の“事の大小”を完全に狂わせている。
(島原らん)
最終更新:2016.07.17 08:00