過熱するメディアやSNSの影響は、平昌オリンピックに向けても大きな障害になりかねないと、オーサーコーチは懸念する。
「いまのユヅルは、踏ん張りどころなのです。オリンピック・チャンピオンとして格好いいところを見せたい。そうなると昨年と同じスタイルのままのほうが無難で、ジャンプが安全に決まります。今年や来年に最高の結果を出すには、それでもいいでしょう」
しかし、平昌オリンピックでの金メダルを考えるなら、それではダメなのだという。失敗や目先の試合結果にとらわれず、無理をしてでも新しい持ち味を探さなければならない、と。
「慣れない雰囲気のプログラムのせいで、ジャンプをミスすることがあるかもしれません。成績を出せない怖さは痛いほどわかりますが、同じスタイルをやり続け、平昌オリンピックのシーズンに「今年も同じようなことをやってるな」と思われるほうが、リスクが高いのです」
羽生が自らオーサーに「ソチオリンピックのチャンピオンになりたい、その次の韓国でもチャンピオンになりたい」と語ったというが、その夢のためにも、メディアやSNSにふりまわされないことが重要なのだ。
羽生の過剰なメディア対応を「神対応」などとメディアは盛んに持ち上げているが、平昌五輪に向けて羽生に必要なのはむしろ、フィーバーに対して「別に」というくらいのクールさなのかもしれない。
(島原らん)
最終更新:2015.12.28 08:18