タガが外れた瞬間を見逃さなかった菅原氏は、このように言葉をつづけている。
「われわれ国民にしてみれば、憲法の冒頭にはまず「主権在民」とあるでしょ。主権在民ということは、主権は国民にあるわけです。そこのところを今の政治家は勘違いしているんでしょうかね」
この「主権在民」をまったく無視した安保法成立や、現在の普天間基地の辺野古移設問題など現在の政権の動乱を、菅原氏が生きていたなら何と発言していただろう。きっと、こんな言葉だったのではないかと思えるものが、本書には散りばめられている。たとえば、菅原氏が沖縄の基地問題を語る際、何度も「日米地位協定」の不条理さを訴えていた。
まず、13年8月11日、18日の放送では、ゲストの前泊博盛・沖縄国際大学大学院教授に“フィリピンやイラクは米軍を追い出しているのに、どうして日本はできないのか?”と疑問をぶつけ、こう述べている。
「そういう国があるにもかかわらず、日本だけが戦後70年になろうとしているというのに、唯々諾々とアメリカから言われるとおりに行動している。言うなれば「操り人形」のような状態がいまだに続いている。それに対して、「いったいなぜなんだろう?」と。一片の気概もないんだろうかと思わざるを得ないんだよ」
また、元外交官の佐藤優氏(13年5月5日、12日放送回ゲスト)には、「アメリカにとってフィリピンが沖縄ほど重要じゃなかったということなのか、それともフィリピンの人たちの強い意志だったのか」と質問。佐藤氏が「後者でしょうね。(中略)アメリカはやはり民主主義国ですから、米軍が配備された国の人たちが「本当に嫌だ」「出ていってくれ」と本気で言っている場合は無理強いはしないです」と答えると、菅原氏はやはり「それだったら、どうしてね、日本は安保条約や地位協定を変えようとしないんだろう。別に気色ばんで言うことでもなく、普通にアメリカに「出ていってくれ」と言えばいいんでしょ。それをどうして今まで言えなかったんだろうかと思うと、日本人として情けないなぁと」と話している。