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セクハラでっちあげ、親の介入、備品持ち帰り…「モンスター社員」増殖の理由とは?

 確かにこれが事実ならセクハラに該当する。セクハラには明確な判断基準がなく、被害者が性的に不快だと感じればそれは成立するからだ。そこで営業主任にも事情を聴いてみると、事実はまるで異なっていたのだ。

 そもそも、相談があるから聞いてほしいと持ち掛けたのは新人事務員のほうで、営業主任は励ますつもりでメールをしていたという。彼女からのメールは、主任からのメールに感謝する内容や、「彼氏が○○さんみたいだったらよかったのに」というものだったこと。件の写真が撮られた状況は、彼女がかなり酔って自分から主任の腕にしがみつき、ベタベタしてきたことがわかった。だが既婚者である主任が妻にメールのやり取りがバレ、「もうメールできない。ごめんね」と告げると「私の話をいつでも聞くって言ったのは嘘なんですね!」と怒り、以来会社を休んでいることもわかった。要は自分が優しくされていたのに裏切られたという逆恨みである。

 結局、営業主任は降格・減給させられ、他の支店に異動となった。事実関係を知る社長も釈然としないまま「誤解を受ける言動で職場内の秩序を乱した」と処分を下した。さらに営業主任は異動先でも「セクハラ男」と陰口をたたかれ、居づらくなって会社を辞めた。事務員は別の営業社員にメールアドレスを聞いて、頻繁に「是非食事に誘ってください」等と送った。新たなターゲットを見つけたわけだ。

 なんだか仕組まれた「痴漢冤罪」のような話だが、実は少なくないケースなのだそうだ。

 いわゆる「モンスターペアレント」が会社に乗り込んで混乱に拍車をかける例もある。運送会社に採用された新人のドライバーは、寝坊による遅刻回数がとても多く、不注意で荷物を破損し、荷主が激怒するのをよそに謝罪どころか「チッ」と舌打ちをして立ち去るなど、問題児ぶりを発揮。挙げ句に乗車前のアルコールチェックに引っかかり、一日乗務が出来なくなってしまう。さすがにキレた社長は新人ドライバーを怒鳴りつけ、帰宅させたのだが、その日の夕方、新人の母親という人物から電話が入る。曰く、

「うちの息子がおたくの会社でさんざん長時間労働をさせられた挙げ句、たいした理由もないのに怒鳴られ、来なくていいといわれた。過重労働で監督署に訴える!」

 直属の上司が事情を説明すると「遅刻したのは会社が過労死寸前の働かせ方をして、睡眠時間が足りないから」「荷物を壊したのはおそらく別の人間でうちの息子に罪をなすりつけた」「酒気帯びは激務でストレスがたまり、仕方なくアルコールの力を借りた」と超常識ぶりの言い分。

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