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振り込め詐欺、裏風俗、危険ドラッグ…暴力団が関与しない裏社会ビジネスの仕組みとは

 また、近年グレーゾーンビジネスのトレンドなのが危険ドラッグだ。現在では、その危険性ゆえに取り締まりが強化されているが、そもそも「合法ドラッグ」「脱法ハーブ」などと呼ばれていたように、法律では規制されない薬物だった。そういう意味で、業者側のハードルも下がり、その結果、ここでもまた一般人が参入するケースも増えたようだ。

 ちなみに、危険ドラッグ販売店の多くは、以前裏DVDを販売していたとのこと。ネットの普及で簡単に無修正動画を見られるようになると、裏DVD店は駆逐され、危険ドラッグに流れたというのだ。

 比較的しっかり組織された暴力団にくらべて、グレーゾーンのアウトローたちは明確に組織化されていないため、警察も全貌をつかめずにいる。しかも、自らは犯罪行為を実行せず、そのノウハウを売る「犯罪コーディネーター」という職業もありさらに話はややこしくなる。特に、振り込め詐欺の場合は、ある大物犯罪コーディネーターがノウハウを完成させたといわれている。

「本人は一切加担しておらず、初期に利益を得たまま逃げ切っているというのです。二〇一四年ごろから、彼からノウハウを買い取った第一世代の詐欺師たちが次々と出所しています。彼らは初期にはじめただけあって、裏社会的に大物の詐欺師や熟練の腕利きが少なくありません。実際、現場復帰してからの活躍を裏付けるように、オレオレ詐欺の被害額は増える一方です」(同書)

 いうなれば、第一世代のリバイバルがひっそりと始まっている振り込め詐欺業界。そのターゲットはほぼ100%一般人ということで、これまた始末におえないビジネスだ。

 詐欺や風俗、危険ドラッグなどとは違って、自分がまったく知らないうちにグレーゾーンと接していたというケースもある。それは、ゴミ。新聞や雑誌などの資源ごみを知らずに盗んで行くグループがいるのだ。『そこまでやるか!~』では西日本でリサイクル業を営む著者の友人によるこんな証言を紹介している。

「日本国内でも資源窃盗をする連中がいないわけじゃない。だけど、我々の業界が問題視しているのは、組織的にピックアップしているグループ。奴らの多くは中国人で組織されていて、業界用語ではこの行為を“アパッチ”と言っているよ」

 中国国内では資源の価格が高騰しており、日本で盗んだ資源ゴミのリサイクルが、良いビジネスになるというのだ。もちろん資源の持ち去りは犯罪行為だが、市民にしてみれば、ゴミを誰が持って行こうが知ったこっちゃない。そうなると、アパッチを防止するには、資源業界が立ち上がるほかないのだ。実際、業界内で自警団を結成し、見回りをするなどして、アパッチを防いでいるというが、かなりの危険が伴うという。

「外国人のアパッチが問題なのは、改修するためには暴力厭わないという凶暴性にある」(『そこまでやるか!~』より、丸山氏の友人の証言)

 なかには刃物を振り回して抵抗する外国人もいるとのことで、こうなったらグレーゾーンというか完全に黒。資源業界にとっては恐ろしい話である。

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