「高校卒業して4月2日ホモ雑誌のグラビアから始めました(略)編集部にマツコ・デラックスさんがいて、『あんたはもっと真剣にAV男優を目指すべきだわ』と言われた」
少しずつ彼らのプライベートが垣間見えたところで気になるのは、家族について。まず既婚者の場合、妻はどう思っているのか。
「女房には? 芝居だからって」と説明しているのは、栗原良だ。彼は、「元々生活のために入った仕事なんだけど、俺の気持ち的には後ろめたいのはありましたよね」と正直な心境を吐露する。
沢井亮の場合は、元妻が現場で知り合い恋に落ちたAV女優だったというが、「彼女の仕事は考えないようにしてましたけど、でも、やっぱりいやでした。他の男優さんのチンコで感じてるんじゃないかって不安になったし、僕の仲の良い男優さんと、とか」と、意外にも一般人と変わらぬ感覚を持っているのである。
では、子どもに対してはどうだろう。妻よりもハードルが高そうだが……。
「途中で1回男優を辞めたのは、子供の問題ですね。子供がまだ小さいうちは良かったんですよ。ある程度大きくなるとわかっちゃうじゃないですか。お父さんの仕事は教えない(略)家庭を持っている男優は、みんな子供のことが一番気がかりですよ」(栗原良)
実際に子どもがどう感じるかは分からない。が、本人にとってはどうしても後ろめたさは拭えないものだ。しかし、こんな話もある。
「一度、娘と一緒に飲みに行ったら(略)心ないお客さんが、『パパがAV男優ってどうなのよ』と(略)そしたら娘、『パパのファンなんですか。ありがとうございます』って頭下げて。『ファンの方たちは映像でしかご覧になってないと思いますけど(略)私たちは本当のパパを知ってて、大好きなんです』って言ってくれたんです」(山本竜二)
セックスを生業する男たちには、だからこそ、語るに尽くせぬ背景があるのだ。
(羽屋川ふみ)
最終更新:2018.10.18 05:53