実際、8月には「週刊現代」(講談社)がカラー企画でニッカウヰスキーを取り上げ、しかも前ページにサントリー・角ハイボールの広告を入れてしまったために、講談社はサントリーから猛抗議を受け、講談社への広告出稿を検討するとまで言われたらしい。
本来なら、鴨居欣次郎を演じる堤真一のキャスティングはドラマのなかでも大きな目玉だったはず。とくに堤真一は関西出身者らしく嫌味のない大阪弁を披露し、ダメ男のマッサンとは対照的なカリスマを自然に演じている。この見どころがもっとフィーチャーされてもいいはずだが、メディアが報じるのは、視聴率低下の話題ばかり。たとえば、「週刊文春」(文藝春秋)は「マッサン〈玉山鉄二〉 激やせと視聴率20%割れの相関関係」と題して、結局は視聴率とは関係のない玉山が14キロも体重が落ちてしまった話を取り上げている。もともと視聴率の戦犯を叩くのはメディアの好物ではあるとはいえ、創業者モノやサクセスストーリー好きの雑誌が堤の役どころにスポットを当てないのは不自然なようにも感じられる。
現状のウイスキーブームは『マッサン』効果もあるだろうが、それはサントリーがハイボールブームをつくった下地があったことも大きい。国産ウイスキーをさらに盛り上げるためにも、ここはサントリーも大人げなく圧力をかけるのではなく、フェアに戦ってほしい気もするのだが……。
(サニーうどん)
最終更新:2014.12.19 07:04