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自業自得! ワタミを業績不振に追い込んだブラック経営の手口を振り返る

「現実的には無理だよね。1日10軒程度の宅配員ならできますよ。時間がいっぱいあって何時間もかかっていいっていうなら。けどそれだと月に2万円くらいにしかならないよ。(略)安否確認するかどうかの話は客にするなって最初に上から言われたよ。パンフレットではうたってはいるけど、実際に何かあったときに責任を取りたくないし、やりたくないし、無理ってわかっているんだろうね」

 しかも、この「まごころさん」システムはワタミ側に都合が良いシステムで、「ワタミの宅食」の自転車保険の代理店は渡邉美樹の長男が代表を務める会社(ファミリー企業・有限会社アレーテー)なのだという。

「全国で10万台以上が稼動しているけど、その自転車の保険の代理店は、すべて渡邉美樹の長男が代表を務める会社だよ。とにかくすべて渡邉一族に金が入るようになっている。我々末端の配達スタッフは自分の車の横に張る『ワタミの宅食』っていうマグネットのステッカーまで買わされるし、本当に渡邉に都合がよすぎて、自分が情けないっていうか」


■ワタミの実態その4 愛人トラブルとブラック経営で志願者激減の夢学園■

 ブラックな労働環境で若者たちの上前をかすめとり、莫大な利益を得た渡邉美樹は、13年には自民党公認候補として参議院議員選挙に出馬し、比例代表として初当選する。議員となって公開された資産は2014年の資産公開で17億580万円。対象は土地建物、有価証券、預貯金のみだ。

「公開義務のないワタミの株式までをあわせると、軽くその10倍はあると予想される。創業以来30年間、ワタミに関わった数々の者たちのサービス残業や過剰な労働によって利益を積み重ね、莫大な資産を築いたというわけだ」

 さらにポケットマネーで教育にも進出。03年には不動産投資に失敗した前理事長の負債を保証する代わりに、東京文京区にある中高一貫校・郁文館学園理事長に就任したのだ。

 この渡邉理事長は「野球部は甲子園に出場する、東大に20人合格させる」と大風呂敷を広げ、「夢教育による教育再生」を掲げるが、その実態は、まさに渡邉美樹のブラック思想が現れたものだった。

「渡邉美樹が就任してから、教員たちは朝8時から深夜23時まで学校で働くことになっている。長時間労働を求めただけでなく、教員たちには他業者のワタミ社員と比べて高いというだけの理由で半減近い驚愕の大減俸を言い渡した。さらに、休日や授業後に研修として賃金なしで居酒屋の接客やビラ配りをさせる」

 教師たちの離職は30人を超えたというが、「欠員となった枠は非正規雇用で若者を採用。受け持つ授業は同じなのに月20万円程度しか支払っていない」という。

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