『わたしはマララ』(学研パブリッシング)
今年のノーベル賞の授賞式が行われた。なかでもひときわ大きな注目を集めたのが、ノーベル平和賞を史上最年少の17歳で受賞したマララ・ユスフザイだろう。受賞スピーチでは「どうして『強い』といわれる国々は戦争を生み出す力がとてもあるのに、平和をもたらすにはとても非力なの?」「なぜ戦車を作ることは簡単で、学校を建てることが難しいのか」と少女らしい率直さで訴えつつ、「いまだに弟とケンカしてるのにノーベル平和賞」と冗談も交え笑いをとるなど、あらためてその聡明さを印象づけた。
「すべての子どもが学校で学べるように」マララの訴えは普遍的なものだが、一方で「欧米の広告塔ではないか」といった批判にもさらされている。しかし、彼女の発言をきちんと見れば、マララが単に欧米にかぶれているだけではないことはよくわかる。
たとえば今回の受賞スピーチでも、こんなふうに語っている。
「今は、指導者たちにいかに教育が大切か、わかってもらおうと話すときではありません。彼らはすでにわかっています。自分たちの子どもは良い学校に通っているのです。今は彼らに行動を求めるときなのです、世界中の子どもたちのために」
「なぜ世界の指導者たちは、途上国の子どもたちには読み書きなど基礎的な能力があれば十分、という見方を受け入れるのでしょうか。自分の子どもには、代数や数学や科学や物理の宿題をさせながら」
こうした発言を読めば、彼女が欧米の価値観に影響されイスラム社会を批判しているわけではなく、欧米に対してもまた批判的であることがわかる。彼女が目指しているのは、欧米化などではない。先進主義諸国も含めた世界全体のあり方の変革を訴えているのだ。
マララが本当に目指しているものは何か。日本ではあまり報じられることのない、マララの意外な一面を「マララは欧米の手先ではない! 実は革命を目指す社会主義者だった!」「ノーベル平和賞マララが意外とミーハーでかわいい!」と題し、本サイトでは報じている。以下に再録するので、ご一読いただきたい。
(編集部)
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▽マララは欧米の手先ではない! 実は革命を目指す社会主義者だった!
マララ・ユスフザイは、女性や児童が教育を受ける権利を訴え、イスラム武装組織タリバンに銃撃され命を危うくする状況におかれてもその主張を貫いていることで、世界中から支持を集め、ノーベル平和賞を史上最年少で受賞した。
一方、これに対してネット上では、マララは、CIA工作員、イスラエルの支援を受けている、イルミナティのメンバー……などなど、各種の陰謀論が飛び交っている。