渋谷によれば、Twitter上で山下のファンたちから「曲提供していただきありがとうございます!」とコメントが寄せられたらしく、「みんな礼儀正しくて驚いた」と報告。それに対して山下は、「マジですか(笑)」と反応しつつ、つづけて、「でもそういうふうにファンの人にもちゃんと渋谷さんの音楽性が受け入れられているということが僕としては本当に嬉しい」と述べるのだ。
……あたかも“俺あっての渋谷”といわんばかりで面食らうが、さらに、「僕のようなスタンスで活動している人間がこういう作品を作ることは絶対重要だと思うんです」と畳みかける山P。一方の渋谷も、小説風の日記をブログに載せたり自撮り写真を自らアップすることから、ネット上では“相当なナルシスト”と呼ばれているが、それでもこの山Pの自信に満ちた発言にはただただ同意するばかり。
だが、山下が稀代のナルシストを相手にここまで語りきってしまうのには理由がある。というのは、自分のファンたちは“アイドルとしての山下智久”に興味があることは、山下自身も重々承知済み。それでもなお、自分を通して「こういう音楽もあるんだよ」と提示したいというのだ。そのため、参加ミュージシャンたちに「ひとつだけお願いした」というのが、「ジャニーズの山下智久が歌うことは意識せずに、ただみなさんがカッコいいと思う曲を作っていただきたい」ということらしい。
AKBグループをはじめ、ヒットチャートを賑わせるアイドルたちのCDはもはや楽曲への評価ではなく握手券を買っているようなもの。そしてスタッフも、アイドルたちのイメージを崩さない、予定調和な楽曲を採用することも多い。そんななかで、リスナーは知らない音に出会うという新しい発見を体験することは難しい。山下の発言は、いわば新しい音世界へ誘うための“媒介者”になるという覚悟なのではないか。──たしかにこれは、多くのファンを抱えるアイドルにしかできない仕事なのかもしれない。
ただし、どれだけ新鮮で斬新な音楽でも、ボーカリストの表現力が追いついていなければ魅力も半減するというもの。口だけ番長ではなく、山下がどれだけ豪華ミュージシャンたちと渡り合えているのか……興味が湧いた人は、ぜひ聴いてジャッジしてみてほしい。
(サニーうどん)
最終更新:2015.01.19 05:39