日本オリンピック委員会公式HP 第22回オリンピック冬季競技大会 本部 日本代表選手団団長プロフィールより
「週刊文春」(文藝春秋)8月28日号がスクープした、日本スケート連盟会長・橋本聖子参院議員によるソチ五輪フィギュアスケート男子代表・高橋大輔選手へのキス強要事件。スポーツ関係者やテレビをはじめとするマスゴミは「たいした話じゃない」と不問にする姿勢を見せているが、これはけっしてそんな小さな問題ではないだろう。それどころか、一部の関係者からは、今回の問題の背後にオリンピック選手選考にからむ重大な疑惑があるとの声もあがっている。
まず、強く主張しておかなければならないのは、この事件は明らかに、権力者によるセクハラ事件だということだ。
橋本氏は今回の行為を「選手との交流」「ごく自然なハグ」などと弁明しているが、そんなさわやかなものでないのは「文春」の写真を見れば明らかだ。橋本氏は以前から高橋選手の熱心なファンで、大会でもその地位を利用して追いかけ回していたという。キス強要も明らかに高橋選手だけを狙い撃ちして迫ったものだった。
さすがは、2013年に起きた女子柔道日本代表監督の暴行・セクハラ告発事件の際に、セクハラ監督の擁護に回り、告発した選手の実名を公表すべきだと発言した橋本センセイだけのことはある。自分のセクハラ体質がよくわかっていたということだろう。
さらにもうひとつ、今回の行為が悪質なのは、橋本氏がスケート界で大きな権力を握っているからだ。橋本氏は06年から日本スケート連盟会長の椅子に座り続け、スケート界に絶大な力を行使してきた。また、日本オリンピック委員会(JOC)の常務理事兼選手強化本部長でもあり、代表選考にも大きな発言力をもっている。スケート選手にとっては自身の生殺与奪権を握られているといっても過言ではない。
しかも、彼女はたんにスポーツ団体のトップというだけでなく、参院議員であり、森喜朗元首相という政界の重鎮を後ろ盾にもつ、政治的にも非常に力がある存在だ。
「橋本氏が1995年に初出馬したときに口説いたのが、当時、幹事長だった森氏。森氏は東京五輪の組織委員会の会長に就任した事からもわかるように、JOCやアマチュアスポ―ツ界を牛耳っている存在で、当時、橋本氏に出馬の見返りに将来のJOC役員を約束したともいわれている。実際、橋本氏はその後、森氏の庇護のもとスポーツ界で発言力を強め、政界とスポーツ界をつなぐキーマンになっている。今では、スケート連盟はもちろん、JOCでも橋本氏にさからえる者はいないともいわれるくらいの権勢ぶりです」(全国紙政治部記者)
こんな実力者に対して、一選手である高橋選手がさからえるはずはないだろう。今回の問題で、なぜか被害者であるはずの高橋選手が会見を開き、「大人と大人がハメを外しすぎたということ。パワハラ、セクハラとは一切思っていない」と橋本氏をかばったが、これはそういわざるをえなかったのである。
しかも、「週刊文春」には書かれていないが、今回のことから、橋本氏のさらなる疑惑を指摘する声が出てきている。