だが、男らしいのは見た目だけではない。鈴木は、小栗にも気に入られるほどの熱さと男らしさを持っているのだ。前述の「Quick Japan」 vol.115での対談によれば、2人の出会いは、07年に放送されたドラマ『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』(フジテレビ系)での共演。泊まりがけの撮影で盛り上がって部屋飲みをし、最終的に野球拳を始めたことがあり、その際に、小栗が演じた役どころが所属する第3寮と、鈴木演じる役が所属する第1寮の対決になったのだとか。しかし、第1寮の寮長役だった石垣佑磨は死ぬほどジャンケンが弱くどんどん負けてしまうのだが、全裸になるのは本気で拒んだそうで、埒が明かなくなった。そんなとき、「寮長がこんなに追いつめられたらいけない」と言った鈴木が、なんと全裸で登場! 小栗はそんな鈴木の態度に惚れ、初監督映画『シュアリー・サムデイ』に出演してもらおうと決めたのだという。
このように書くと「たんなる脱ぎたがりなのでは……?」と思う人もいるかもしれないが、脱ぐは脱ぐでも、その意識の高さは俳優としての矜持というべきもの。まず、「違う人間になりたい」というモチベーションがあり、鈴木は「その役に求められることは、できる限り努力して応えるのが義務だ」と語る。たしかに『HK/変態仮面』撮影の際には、毎晩ラーメンを食べて15㎏も増量し、独学で肉体改造していたそうだが、そのストイックさには男でもグッときてしまいそうだ。
さらに、こうした男らしい面ばかりではなく、インテリだというのも鈴木の魅力のひとつ。東京外国語大学の出身で英検1級、アメリカ留学の経験もあり、その英語力は映画の会見を行った日本外国特派員協会の記者たちも絶賛。世界遺産も大好きで、世界遺産検定1級も取得している。しかも、特技はまさかの「テーブルマジック、裁縫」。肉体美と相反する、妙な趣味のギャップ……その引き出しの多さもまた、人を惹きつける理由なのだろう。
このように、女性も男性も惚れさせてしまう魔性の俳優・鈴木亮平。『花子とアン』はいまでも十分高視聴率を誇っているが、さらなる躍進のために、鈴木の脱ぎっぷりに頼ってみてはどうだろうか。お茶の間も2丁目も、期待してます!
(田口いなす)
最終更新:2014.08.21 08:07