神奈川新聞の記者が排除されても抗議しない他のマスコミ 安倍・菅政権の悪夢の再現
しかも、憂慮すべきは、参政党に対して弱腰なのは井上キャスターや太田光にかぎらない、ということだ。
参政党の会見で排除された神奈川新聞の石橋記者は、24日におこなわれた新聞労連の定期大会に登壇し、このように語った。
〈会見場で押し問答になっている私に加勢する記者は現れなかった。ファシズムの第一歩だと思った。権力者は権力をふりかざして記者を選別、分断し、都合の悪い言論を封じ込め、思うままに世の中をつくり変えてしまう。その始まりを見た気がした。〉(神奈川新聞24日付、石橋記者の発言要旨より)
記者が排除されようとしているのに、誰もその暴挙に抗議しない──。安倍・菅政権で繰り広げられてきた光景が蘇ってくるようだが、石橋記者は〈しかし希望はある〉とし、今回の問題を琉球新報や沖縄タイムス、朝日新聞、共同通信、東京新聞、TBSなどが取材に動いたことに言及。こうつづけたという。
〈何より連帯が必要なのは、参政党の候補者によりヘイトスピーチが全国にまき散らされたからだ。「日本人ファースト」の合唱に、声を潜め恐怖で震えているマイノリティーがあなたのまち、あなたの隣にいる。
なぜヘイトを止めなければいけないか。ヘイトの先に戦争があるからだ。80年前、アジアの人たちを人とも思わず侵略、殺戮した挙げ句、私たちの社会は破滅を迎えた。お先棒を担いだのがわれわれメディアだ。戦後はその反省を出発点にして今があるはずだ。
今こそその反省を力に、歴史も顧みない極右に立ち向かわなければならない。全国の報道機関でスクラムを組みマイノリティーの盾になる。記者の排除で参政党の危険性はより明らかになった。極右と闘う報道の始まりだ。共に闘っていこう。〉
「ヘイトの先に戦争がある」「マイノリティの盾になる」──こうした真っ当な呼びかけも、参政党および神谷代表は「誹謗中傷・偏向だ」「不当に貶められている」などと被害者ヅラをして、逆に支持者に攻撃をしかけるよう犬笛を吹くだろう。だが、マスメディアはそうした攻撃を恐れず、毅然とした姿勢をとるべきだ。
(編集部)
最終更新:2025.07.26 07:43