政府の有識者会議メンバーとして太陽光発電を後押ししてきた三浦瑠麗
もうひとつ、瑠麗氏には説明すべきことがある。それは、今回、問題になった清志氏のビジネスである「太陽光発電」について、瑠麗氏がそれを後押ししていたことだ。
本サイトでも指摘してきたように、瑠麗氏は2020年に菅義偉政権が新設した「成長戦略会議」の有識者メンバーに抜擢されたが、同会議で瑠麗氏は荒廃農地の太陽光発電への転用や規制の緩和など、太陽光発電の推進を強く主張してきた。
そのため、今回の報道を受けて、SNS上では「利益相反ではないのか」と指摘する声が上がっているのだ。
もちろん「原発から太陽光発電など再生可能エネルギーへの転換」は、まっとうな主張であり、それ自体には何の問題もない。しかし、ふだんは自民党政権の政策をアクロバティックな論理で無理矢理に擁護している瑠麗氏が、この政策については自民党保守派とはかなりズレのある主張をしているというのは、違和感をもたざるをえない。
また、仮に瑠麗氏が夫の事業と関係なく、太陽光発電への転換が正しいと考えていたとしても、瑠麗氏は報道番組や情報番組、新聞などで評論家として発言し、安倍政権以降、政権のブレーンとして重用されてきた。そんな人物が自分や家族が関係している事業をめぐる政策について一方的な発言することは、倫理的に考えてありえない行為だ。
もっとも、瑠麗氏のこうした責任は、マスコミで大きく取り上げられることはないだろう。いまや瑠麗氏はテレビはもちろんのこと、新聞でも朝日から産経までがご意見を拝聴している“大先生”。その倫理的な責任を追及することなんてできるはずもない。
それは、「週刊文春」(文藝春秋)や「週刊新潮」(新潮社)といったコワモテ週刊誌も同様だ。
「三浦氏は文藝春秋から多数の著書を出版しており、月刊誌『文藝春秋』の常連で、『文藝春秋digital』では三浦氏のオンライン対談イベントを主催するなど深い関係にある。また、『週刊新潮』では連載を持っているだけでなく、著書『孤独の意味も、女であることの味わいも』などの版元も新潮社。動くことはまずないでしょうね」(週刊誌記者)
メディアの動きはどうあれ、三浦瑠麗氏には説明責任を果たすことを強くのぞみたい。
(編集部)
最終更新:2023.01.21 09:51