大阪万博パビリオンの資金管理団体理事にも、総合P・森下氏の顧問企業の会長が就任
しかも、森下氏と維新、大阪万博の間には、日大不正事件の被告の名前もちちらついている。日本大学の医学部付属病院の建て替え工事をめぐって、医療法人グループ「錦秀会」の元理事長・籔本雅巳被告が背任容疑で逮捕・起訴されたが、この藪本氏が両者の接点になったのではないかというのだ。
じつは、大阪万博総合プロデューサーを務める森下氏は、この薮本被告と以前から深い関係にあった。2010年には森下氏がパーソナリティを務めるラジオ番組『森下仁丹 presentsバイオRadio!』(Kiss FM KOBE)に薮本氏がゲスト出演したのだが、そこで森下教授は「じつは薮本先生を昔からよく知ってて、どちらかというとねあまり仕事の話じゃなくて別の話でお付き合いが多かったんで」「そもそも出会いはなんだったんでしょうかね? なんかまあ、飲み仲間? (薮本氏は)親分肌なんでね、いろんな人の応援してて」と語っていた。
しかも、この薮本被告はある時期から「日本で治療を受けたい」という中国人富裕層を狙った「医療ツーリズム」ビジネスに進出。自らが率いる錦秀会運営の阪和第二泉北病院では「阪和インテリジェント医療センター」を設けて検査ツアー受け入れを推し進めていた。そこでは森下氏が所属する阪大との提携が図られていたという。
5年ほど前、「週刊ポスト」(小学館)2018年2月9日号に、今回の「週現」記事執筆者である森功氏がこの問題をレポートしているのだが、記事では、藪本被告が「医療ツーリズム」に進出したこと自体、維新の会の松井氏らの動きが関係していると指摘。藪本被告が経営していた錦秀会関係者のこんな証言を掲載しているのだ。
「もとは大阪万博を呼び込みたい松井さんたちが、2010年の上海万博を視察に行き、万博の売り物として見つけたのが医療分野なんです。上海に行くと、日本の病院で治療を受けたいという中国人の金持ちが多い。で、松井さんたちが、関西は古くから薬問屋の街で医療が盛んだから売り物になる、と乗り気になった。松井さんからある医師を介してPET検査を実施していた籔本さんに話が行き、阪大が協力するようになったのです」
吉村知事と松井市長と森下氏のべったりの関係、大阪万博をめぐる日大不正の薮本被告との接点、さらに森下氏に浮上した大阪万博をめぐる疑惑──。
しかも、問題の「大阪パビリオン」の資金管理などを担う「一般社団法人2025年日本国際博覧会大阪パビリオン」が今年7月に設立されたが、なんとこの団体の理事に、森下氏が顧問を務めるサイエンス社のトップ・青山恭明会長が就任しているのだ。
「週刊現代」は次号にも引き続き問題を追及した後編を掲載する予定だというが、大阪万博に浮上したこの黒い疑惑について、吉村知事・松井市長にはしっかりとした説明をおこなう責任があるだろう。
(編集部)
最終更新:2022.10.15 10:54