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NHKで河瀬直美監督「五輪を招致し喜んだのは私たち」発言に批判殺到! 番組は「五輪反対デモは金で動員」と印象操作

河瀬直美監督は安倍昭恵のお気に入り 「日本人が本来持つ精神性やアイデンティティーの大切さを訴えたい」と語ったことも

 さらに、河瀨監督は公式記録映画のテーマについて語った産経新聞のインタビューでも「コロナ禍を克服した証しとしての東京五輪の姿を後世に残すとともに、日本人が本来持つ精神性やアイデンティティー(同一性)の大切さを訴えたい」などと発言。これは日本人が固有の精神性や同一性を持っているという、異文化差別、少数民族排除につながりかねないものだが、ようするに河瀨監督は安倍元首相をはじめとするネトウヨ政治家や極右言論人とほとんど変わりがない考えの持ち主なのだ。

 そう考えれば、河瀨監督が権力側と一体化したかたちで東京五輪の開催を声高に叫び、「招致したのは私たち」「みんな喜んだ」とあまりに雑すぎる大きな主語で語ることによって体制側の責任を矮小化しようとするのも当然なのだろう。

 だが、先にも触れたように、この年末年始に河瀨監督のドキュメンタリー番組をめぐって炎上が起こったのは、こうした発言の問題だけではない。最大の問題点は、NHKが今回のドキュメンタリーのなかで「東京五輪の反対デモにお金で動員されていた人がいた」と報道したことだ。

 問題となっているのは、公式記録映画のために河瀨監督から街の人びとへの取材を任された映画監督・島田角栄氏の取材シーンだ。河瀨監督と島田監督は同じ映像専門学校の出身であり、島田監督の作品に河瀨氏が出演するなどの関係があるが、その島田監督が取材したなかのひとりとして、「五輪反対デモに参加しているという男性」が登場した。

 その男性の顔にはボカシがかけられているが、島田監督と男性は公園へ。男性がベンチに座り、島田監督は地べたに座り込んで男性にカメラを向けている。その様子を離れた場所からNHK取材班が撮影している、という画だ。

 すると、画面にはこんなテロップが映し出されるのだ。

「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」

 つまり、この顔にボカシの入った男性は、五輪反対デモにお金をもらって動員された、というのだ。

 本サイトも五輪反対派として取材をおこなってきたが、東京五輪に反対するデモや抗議活動で「金で動員をかけている」などという話はまったく聞いたこともない。一体どのように動員がかけられ、いくらの日当が出ていたというのか、訝しく思いながらも問題の場面を固唾を呑んで観たが、男性と島田監督のやりとりは以下の通りだった。

男性「結局、デモは全部上の人がやるから、書いたやつを、それを言ったあとに言うだけやから」
島田「デモいつあるで、どういった感じの知らせがくるんですか」
男性「それは、もう予定表もらっているから、自分」
島田「はいはいはいはい」
男性「それを見て行くだけで」

「デモは全部上の人がやる」「書いたやるを言ったあとに言うだけ」という証言はデモや抗議の際に反対を訴えるためにおこなうシュプレヒコールの話だと思われ、つづく「予定表をもらっている」というのも、デモでは集合・解散場所が書かれた案内が配られることも珍しくはない。つまり、この証言では「金で雇われて動員された」ということは何も説明されていない。

 だが、なんと男性の証言はこれで終わり。その後は島田監督が路上で電話をかけるシーンとなり、島田監督が河瀨監督の取材風景をニュース番組で見て映画の方向性に疑問を感じた、というナレーションが入るのだ。

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