緊急事態宣言〈延長幅は、2週間から1カ月とする案〉の裏 東京の宣言期間短縮で五輪開催強行か
医療崩壊が起こっている大阪などで「延長2週間」というのはまったく現実的ではなく、それで「1カ月」という案が出ているのだろう。だが、問題は東京だ。菅首相は東京五輪開催を睨んで、東京の宣言延長を2週間にしたがっているのではないか。
つまり、こういうことだ。当初、11日までと期限を切ったことに対しては「国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長が17日に来日することを考慮した“バッハ・シフト”だ」と猛批判を浴びたが、そのバッハ会長が来日する期日を超えた延長とすれば批判を封じ込めることができる。その一方で東京の宣言延長を短くし、東京五輪の開催につなげようとしているのではないか。
だが、東京の医療提供体制も厳しさを増しており、このまま感染者数が増えればあっという間に大阪と同じような状況に陥るのは目に見えている。それでも衆院選と総裁選を控えた菅首相は支持率アップのために、何がなんでも東京五輪の強行開催を諦めないつもりなのだろう。だからこそ、「人流が減少した効果が(感染者数にも)出始めてきている」などというデタラメを平然と国民に垂れ流しているのである。
冗談ではなく、この男を感染対策のトップに立たせつづければ、本当にこの国は滅びるのではないか。きょうの発言は、そんな危機感を高めるに十分すぎるものだ。
(編集部)
最終更新:2021.05.05 11:16